リリースから2年で利用者数150万人を突破!急成長アプリを支えるCTO達が明かす、タイミーの開発体制と手法の変遷

すぐ働けてすぐお金がもらえるスキマバイトアプリ「Timee」を提供する株式会社タイミー(以下、タイミー)。本日は、2018年8月にアプリリリース以降、利用者数150万人、導入店舗数2万5千箇所※を突破するなど急成長する裏側で、中核メンバーとして開発を支えてきた取締役 阿部 勇一郎氏とCTO 亀田彗氏に、アプリのリリース~現在に至るまでのエンジニア組織の開発秘話を伺いました。

※利用者数・導入店舗数:2020年9月29日時点

オンライン取材に答える株式会社タイミーの(左から順に)CTO 亀田氏と取締役 阿部氏
阿部 勇一郎|株式会社タイミー 取締役

2017年に神奈川工科大学情報学部を卒業。翌年に同大学院工学研究科にてAI×IoT×ロジスティクスに関する研究を行う。2018年3月、タイミー代表の小川氏との出会いをきっかけにタイミーの立ち上げに携わることを決意。同年3月に大学院を中退し、CTOとしてジョイン。主にiOSアプリの開発とプロダクトマネジメントを行う。2020年8月CTOを退任。現在は取締役として、他部署との連携強化、及びアプリ開発やメンバーの支援を行っている。

亀田 彗|株式会社タイミー CTO

大学時代、スタートアップやメガベンチャー企業でインターンを経験した後、2017年、ピクシブ株式会社へ入社。アプリエンジニアとしてiOSアプリ開発へ従事する傍ら、メンターとしてタイミーをサポート。2019年6月、タイミーへCPOとしてジョイン。エンジニア採用や開発組織の構築に携わっている。2020年8月、CTOへ就任。

株式会社タイミーについて

亀田さん(以下、亀田):弊社は、”一人一人の時間を豊かにする”をコンセプトに、空いた時間に働きたい人とすぐに人手が欲しい企業をマッチングするサービス「Timee 」を運営しています。案件の検索から、出退勤の管理、給料の支払いまでの手続きをすべてアプリで完結する仕組みを提供しています。もともと導入企業は飲食店が多かったのですが、最近では物流や小売りなどサービス業の導入も増えてきています。

我々は、これらのサービスを展開することで、世の中にもっと自由な働き方を広めていきたいと思っています。

タイミーにジョインするまで

お2人がエンジニアになるまでと、タイミーとの出会いについて教えて下さい。

阿部さん(以下、阿部):インターネットには、中学生の頃から興味がありました。ネットサーフィンから入り、厚めのプログラミングの本を買い、トライしては挫折するみたいなことをやっていましたね(笑)

それから、インターネットの仕組みや概念に興味を持つようになり、情報系の学科のある大学へ進学を決めました。大学の授業では、C言語などプログラミングを本格的に学び始めましたが、やっているうちにこれらを仕事にできたら面白そうだな、と思うようになっていました。その後、大学院在学中に就職活動を通して、WEB系のベンチャーも大手IT企業もそれぞれ魅力はあったものの、0からで組織を作っていきたいな、という思いが強くなりました。

そんな時に、小川(現タイミーの代表取締役)と知り合いました。当時のタイミーは本当に「無」でしたね(笑)まだ、小川が1人でサービスの構想を練っている段階だったので、もちろんサービスもありませんし、メンバーもいませんでした。けれども、小川の話を聞いていくうちにこのサービスを作ることに携われたら面白そうだなと思い、ジョインすることに決めました。

亀田:僕は、20歳位まで映像やアニメーションに興味があったので、学生時代は映像のアシスタントなどを中心に活動していました。その中で、自分が描いた絵がプログラムで動くということに楽しさを覚え、趣味でゲームを開発するようになりました。

その後、とあるスタートアップでインターンをする機会がありました。マンションの1室を借りたような職場で、スキルが高い2人のエンジニアが終日ごりごりとプログラミングのコードを書いていたんです。その様子を見て、エンジニアという職種に就きたいと思うと同時に、起業にも興味を持ち始めたので、スタートアップやメガベンチャーのインターンに参加するようになりました。それからインターンを通して、一緒に働きたいと思える人がいたのでピクシブへ入社することを決めました。ピクシブでは、iOSのアプリエンジニアとして、漫画アプリの立ち上げから運用までやっていたため、1年半位コードを書いていましたね。

亀田さんはどのようにしてタイミーと出会いジョインすることになったのでしょうか?

亀田:ピクシブは、アントレプレナーシップ支援プログラムを実施していた時期があり、スタートアップに机を貸すなど支援をしていました。タイミーもそのうちの1社だったのですが、前述したように、僕は、スタートアップに非常に興味があったので、自ら手伝いたいと志願しました。そこで小川と出会い、メンターとしてタイミーのサポートをするようになりました。その時は、採用のアドバイスや、リリースのロゴのデザインの相談など様々な相談に乗りました。また、スタートアップのメンターを務めるにあたって、田所 雅之 著の「起業の科学 スタートアップサイエンス」という本を読みスタートアップについて学びましたね。

タイミーがピクシブにいた3ヶ月間では、サービスのアイディアはある程度固まってきてはいたのですが、ローンチには至りませんでした。ピクシブとしての支援はそこで終了だったのですが、やはり僕自身スタートアップが好きだったので、その後も個人的に週1~2回の割合で手伝うようになりました。

それから、ボードメンバーと一緒に、エンジニアの採用、面談、プロダクト作りなど考えながら進めていき、1年半位経った頃ようやくエンジニアを5人位まで増やすことができました。すると同時に、私が週1~2回アドバイスするだけでは、意味をなさなくなってきました。

今のタイミーに必要なのは、プロダクトマネジメントする役割の人や顧客の要望をさばいていく人だと感じていて、僕自身もその領域に挑戦したいと思っていたんです。僕のやりたいこととタイミーに求められている役割が重なったので、タイミーへジョインすることを決めました。それからCPOという肩書きでタイミーでの挑戦が始まりました。

阿部さんから見て、外部からサポートしてくれていた亀田さんはどのような存在でしたか?

阿部:とても大きな存在でした。プロダクト開発における全てを亀田から学んだと言っても過言ではないです(笑)

亀田は、リリース前は、リリースに向かうために採用など何をしていけばよいかを、リリース後は、これからどういうことをしていくと良いかを適宜アドバイスしてくれました。

それから、エンジニアが増えてくると、これからエンジニアに対する負荷をどうやって軽減していくか、開発プロセスをどう整理していくかを考えていかなければいけないタイミングだったので、ボードメンバー全員で、1年くらいかけて亀田を口説きましたね(笑)

タイミー立ち上げ期の開発組織

創業期は、阿部さんはCTOとして、亀田さんはCPOとしてタイミーに携わっていますが、当時の開発組織について教えてください。

阿部:リリース前は、アイディアをデザインにおこすところからスタートしました。どういうアプリのインターフェイスにするか話し合いをして進めていたのですが、ある時、ボードメンバーで「このアプリを作っても、良いものは出来ないのではないか」という話に至り、白紙になりました。

それから、まずきちんとペルソナ設計するところから再スタートし、誰のためのアプリで何を提供しなければいけないのか明確化していきました。

このタイミングでユーザーへのヒアリングも行いました。実際に単発で働いている方に、「何故、このような単発のアルバイトをしているのか」など数回に渡ってヒアリングを行いました。また、小川自らも単発のアルバイトを経験して「実際、働いていけるものなのか」、「店舗が抱えている課題は何なのか」を実地でヒアリングし、徐々に必要な機能は何なのか落とし込んでいきました。

リリースまでのエンジニア組織はどのような体制でしたか?

阿部:創業当初は、私ともう1人の2名体制でしたが、リリース時期の2018年8月に向けて、同年の6月からエンジニアの採用を始めました。

募集は、Twitterとリファラルで行いましたが1~2週間くらいで、iOS5人、サーバーエンジニア4人を集めることができました。

リリース時期を8月にしたのは、学生の夏休みに間に合わせたかったというのが大きな理由です。それに合わせるかたちで、すでに記者会見やイベントの開催など様々なものが決まっていたので、あとは何とかリリースを間に合わせるため全力で取り組みました。

8月に無事リリースできたのですが、本当に最初はアプリの外側だけでした。「お店を追加する作業」も、エンジニアが裏でデーターベースに直接手作業で追加していたり、給料の振込も、今は24時間365日自動的に振り込まれますが、初期は働いた人の確認ができたら、メンバーがATMに行ってお金を振り込んでいましたね(笑)そのくらい荒いプロダクトだったんです。

タイミーの拡大期

「Timee」が成長していく裏側で、開発はどう変化していきましたか?

阿部:PMF(Product Market Fit)してきたなと感じたのは、半年後の2018年12月でした。食品業界の大手企業に使ってもらえるようになり、案件数にボリュームが出て、伸びが顕著になりました。

さらなるサービス拡大に伴い、会社として法的にグレーでない状態を目指すようになり、法務関連に強いメンバーを採用しました。開発組織も同様に、企業側へどのような機能が必要なのかをヒアリングを行い、法的にグレーではない機能開発に着手しました。

また12月の資金調達後は、エンジニアの採用を行い、手動の振込にも限界がきていたので、その辺りの機能開発を着手しました。

亀田:大手企業と商談を進めても、やはり適法性に懸念があるシステムだと導入していただけませんでした。グレーゾーン解消制度などを利用し適法性が国より認められてたタイミングで、一気に大手企業からのご発注が増えましたね。

エンジニア組織メンバーは、どうでしたか?

阿部:リリースまでは、業務委託とアルバイト中心だったので、リリース後に半分以上抜けて、一度3人くらいまで減りました。それから、2019年3月、業務委託でエンジニアを一気に増やしました。この時は、サーバーサイドのエンジニアを中心に採用していきました。チーム内のコミュニケーションに課題があったので、採用ではスキルよりもコミュニケーション力を見ていましたね。

亀田:2019年の6月以降は、社員の採用とAndroidのアプリを採用に注力していきました。また、同年12月頃、CMを打つことに備え、サーバーの負荷をコントロールするためにSREの方を採用しました。

今年の春以降は、業務委託やインターンから社員に転換する方が増えました。インターンで長く一緒に働いてきた新卒の優秀な子たちを口説いていきました(笑)

また今年の春~夏にかけては、組織内部人事を最適化するため、チームの構造や誰がどういう責任を持つのかを整理していきました。今までは取り敢えず、エンジニアを増やそう、という雑な感じの意思決定でしたが、少しずつ戦略的に採用を始める時期にきましたね。

タイミーの開発手法

エンジニアの開発手法や方針を教えて下さい。

亀田:タイミーは、創業初期からスクラムをきちんと回していくことをメインテーマにやっています。スクラムチームとしてのバリューを出せるような組織を作っていくために、組織の切り方や開発の価値観「leanとdevopsの科学」、「アジャイルソフトウェア要求」を参考にしています。

特徴としては、エンジニアにPdMの役割を持ってもらうようにしています。プロダクトの問題に対して要求を見つけ、優先順位をつけ、実行を進行するPdMをエンジニアが担当する事で効率的に問題解決ができると思っています。

PdMの役割はここ一年僕自身が担当していましたが、タイミーは事業領域が広く全てのステイクホルダーの課題理解を一人の人間が進めることがボトルネックになってきました。

そのためPdMの役割については、今、僕からはがしていく事をやっています。それを実現するために「ワーカー」「クライアント」「社内 オペレーション」のようにチームをステイクホルダーで分割しています。各チームが担当の顧客と深く対話をすることで、より本質的な価値を持つものをリリースできるのではないか、という算段です。

スクラムを上手く回すために気を付けていることはありますか?

スクラムで一番気を付けなければいけないのは、”最初から型にはめすぎてしまうこと”だと思います。チームの成熟度によってできることは違いますので、無理にルールを当てはめてしまうと、チーム運営が円滑に進みづらくなる事があります。

このような場合、厳密にルールを適応しない、いわゆる「なんちゃってスクラム」で運用するようにしています。その際に、本来のスクラムとの差分が何故発生しているのかを理解して、問題が起こるたびに、チームでスクラムガイドを参照し、良くない点を潰していくと、理想とされている形に近づいていくと思います。

タイミーの今後

最後に、今後お2人が成し遂げたいことや夢をお聞かせ下さい。

亀田:今の僕のミッションは、エンジニア組織の生産性を最大化をすることだと思っています。人事配置含め、チームがどのようにステイクホルダーと関わっていくかきちんと整備したいです。

また、我々タイミーが推奨している「ギグワーカー」の働き方は、雇用する側も雇用される側にもメリットがあると考えています。

雇用される側のメリットは、単発で働くという経験をすることで色々な職場を体験でき色々と試行錯誤ができる点です。このように細かく試行錯誤を回していくプロセスはスタートアップでもエンジニアリングにも共通する点があり、学習のサイクルを早く回すことは、その人にとってポジティブな経験になると信じています。

一方で、雇用する側は、新しい人と関わる頻度が、半年に1回から、毎日新しい人と向き合うようになります。これによって、今まで気づかなかった非効率な作業と向き合うことになり、業務の改善に試行錯誤することができます。

私は、このようなサービスをもっと広めていくために、良いプロダクトを提供していきたいです。

阿部:僕は、「タイミーでどんなことを達成したいか」は明確にありませんが、タイミーに関わる人全員が楽しく働いていて欲しいと思っています。それは、従業員以外のタイミーのワーカーさん、クライアントさん含め全ての人です。そのために僕に出来ることがあるのだったら、何でもやりたいと思っています。

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