教育サービスの世界一を目指す!TOEIC受験者の約8割以上が利用するabceedのCTOに迫る

株式会社Globee 取締役兼CTO 上赤 一馬

2013年東京大学卒業後、新卒でソフトバンク株式会社へ入社。ビッグデータを収集・解析する部署にてサーバーサイドやデータベース構築を行う傍らアプリ開発にも従事。同期で入社した後にGlobee創業者の幾嶋研三郎氏と出会い、幾嶋氏発案の現在のabceedの原型となるサービスを開発。2017年幾嶋氏からの誘いを受け、株式会社Globee 取締役CTOに就任。

株式会社Globeeについて

御社の事業内容について教えて下さい。

「個人の可能性を最大化する」をミッションに、英語教育の分野で事業を展開しております。
市販の書店で販売されている人気英語教材が使い放題のAI英語学習アプリ「abceed」をメインに、中学・高等学校、英語スクールなど教育施設向けにabceedを活用した管理画面の開発も行っております。
日常英会話を学びたい一般人から、中高生、TOEIC受験やビジネス目的の社会人まで、多種多様な利用者向けにサービスを提供しており、2022年12月には登録ユーザー数300万人を突破しました。
直近では、株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント協力のもと、人気ドラマ・映画を活用した英語学習機能をリリースするなど、今後はエンターテイメント性という観点からも英語学習をサポート出来るサービスを目指しております。

インターンをきっかけにプログラミングに没頭した大学時代。厳しい環境でキャッチアップに専念し、プログラミングが好きに

最初に上赤さんがインターネットやパソコンに興味を持ったきっかけを教えてください。

大学時代にインターンで始めたプログラミングのアルバイトがきっかけでした。
元々モノづくりが好きで、研究職に就きたいと思っていたので、大学院では原子力国際を専攻し画像解析の研究を行っていました。アルバイトを始めるまではインターネットと言えば携帯やPCでネットサーフィンをする程度で人並みの興味関心でしたが、当時飲食店のアルバイトの面接に落ち、他を探していたところ友人からプログラミングのアルバイトを紹介してもらい、完全未経験で始めました。

完全未経験でプログラマーのアルバイトを始められて大変ではなかったですか?

大学4年生から大学院まで3年間続けていたのですが、最初の1年間は毎日怒られていましたね(笑)精神的にきつくなることもありましたが、ここで踏ん張ることで社会に出て厳しい環境に身を置かれたとしても働いていけるはずだと、信念を曲げずに続けていました。途中でバイト先が変わり、2社目も業務に関する指摘は厳しかったのですが、毎日仕事終わりの飲みの席で上司と話すことで、指摘されたことは素直に受け入れ、また次の日から気持ちをリセットし、前向きに業務に取り組めました。

アルバイトの残業は禁止されていたので、必ず1日8時間の業務時間内にタスクを終わらせなければならず、時間にも厳しい環境ではありましたが、自然と時間管理の能力が身につけられたので良かったと思っています。

学生バイトが2〜3名、社員が3名程度おり、社員の方は営業から実装まで一貫して対応されていたので、勉強させていただくことは多かったです。時には泣いてしまうこともありましたが、厳しい環境でアルバイトができたことは良かったです。

当時はどのような開発をされていたのですか?

フロントエンドとバックエンドを含むWeb開発やアプリ開発など、幅広く経験させてもらいました。ある程度プログラミングが理解できるようになったので、自分の実力を試すためのアウトプットとして、野球記事のキュレーションサイトを作ってみたところ、毎月3〜4万円の広告収入を得られました。

インターン時代のように主体性をもって働きたい。ソフトバンクに入社し、身につけた業務を上手く進めるためのコツ

大学院卒業後は、どのようなキャリアを歩みましたか?

厳しい環境で身につけたエンジニアスキルを活かしてみたかったのと、単純にプログラミングが好きだったので、2013年大学院卒業後エンジニアとしてソフトバンクに入社しました。

元々アルバイト先がソフトバンクから仕事を受注しており、アルバイト先経由で最終面接を受けたのですが、「エンジニアがあまりいない現場の方が主体性をもって働ける」「自力でなんとかする力をつけたい」と考えていた私にはとてもいい環境でした。
また、ある程度内定時点で配属先が確定していたことも入社の決め手となりました。大手企業に入社する不安要素として、配属先が不確定であることを気にしていたのですが、入社前から自分の業務内容や一緒に働く人達を把握できたことは安心できました。

ソフトバンクではどのような開発をされましたか?

主にサーバーサイドの開発を担当していました。入社当初はビッグデータを収集・解析する部署に配属され、新規サービスを立ち上げる際のサーバーサイドやデータベース構築を担当し、サーバーサイドのタスクが落ち着いているときにはアプリ開発を担当するなど、幅広く経験していましたね。

幅広く対応されていた中でプログラマーとしてうまく業務を進めるコツなどはありましたか?

そうですね、入社1年目は自分自身も人間的に未熟でしたので、メンバーとのコミュニケーションの中で尖った発言をしてしまうことがあったのですが…(笑)
反省を重ねた結果、第一に相手の能力を疑うのではなく、一度相手の立場に立って、その発言・状況に至った理由や背景を想像し、自分でも納得できるところまで落とし込むことで、衝突を避けるという能力を身につけました。

他には、新しいプロジェクトに配属された時に初回の評価で周りからの期待値以上のアウトプットを出しておくと、その後マイクロマネジメントされることなく自由に開発を進められます。アルバイト時代にも経験しましたが、いつの時代も人って意外と小さな観点で評価をする面があると思っています。例えば、朝早く会社に出社するとか。エンジニアをやっているとこの辺りは軽視しがちになるので、意識的に注意していました。
あとは、評価者である上司には絶対に噛みつかないようにしていました(笑)

CEO幾嶋との出会い。ソフトバンクを退職し、本格的にCTOとしてGlobeeでの挑戦を決意

その後Globeeに入社されたきっかけはなんだったのですか?

実はソフトバンク入社当初、同期だった現CEOの幾嶋が「一番できるエンジニアは誰だ?」と聞いて回っていたので、今思うと少々自信過剰だったなとは思いますが「俺だ」と答えたのが始まりです(笑)ソフトバンクに在籍しながら、当時既に幾嶋のアイデアとしてあったabceedの前身となるサービスを開発したのですが、お互いabceedに本気で向き合っていたので意見がぶつかる事も多く、衝突を繰り返し、何度か離れていたこともありました。

ソフトバンクに入社して2年半程経った頃、幾嶋がabceedの開発を外部に委託していたのですが品質が悪く、このまま成功しないのはもったいないと思い、正式にCTOとしてGlobeeへの入社を決めました。また同時期に転職を考えていたこともあり、自分がこれまで培ったスキルがどこまで通用するのか試してみたいという挑戦的な気持ちも大きかったです。

創業当時は幾嶋さんと2名で開発されていたとのことですが、業務の割り振りはどうしていましたか?

立ち上げから半年間は2名体制で開発を行っていて、プロダクト開発・問い合わせ対応に関しては全て私が担当し、幾嶋はプロダクトデザイン・その他の経営的な部分を担当していました。
CEOの中には資金調達や人脈作りに専念される方もいらっしゃると思うのですが、そういった場合プロダクトカンパニーにおいてはプロダクトの品質が良くない傾向が高いと思います。CEOである幾嶋がユーザー体験に一番近い業務であるデザイナーを兼ねているのは、プロダクトカンパニーにおいては非常にプラスでしたね。

創業当時は細かいブラッシュアップが多く、幾嶋がアイデアをだしてデザインし、私が開発するというサイクルのスピードは非常に早かったと思います。
半年後にオフィス費用/私と幾嶋の人件費を引いて月15万円程度の利益を出せたので、そこでやっとアルバイトを1名雇えるようになりました。採用は2人で担当していましたが、最初はうまくいかなかったですね。

なぜ採用がうまくいかなかったのですか?

認知度、給与水準が低かったこと、オフィスはレンタルオフィスの2席のみでしたので、面接の見栄えがいいとは言えず…我々のリソース不足でスカウトも送れずでしたので、採用がうまくいかないのは当然でした(笑)
我々はプロダクト作りは得意ですが、採用は得意ではないので、対策としては利益を上げることが第一でしたね。
オフィス移転を機に人事を採用し順調に採用が進むようになりました。

現在も採用には関わっているのですか?

はい、エンジニアの採用に関してはカジュアル面談から最終面談まで全て出席しています。
大前提としてスキルは厳しく見ていますが、最終面談では感覚的なところで判断していますね。ただ、エンジニア分野において、モノづくりに対してのプライドは絶対に持っていてほしいので、これまでの成果物に対してどれだけの熱量があるかというところは必ず確認します。

CEOとCTOの避けられない衝突。二人三脚で開発に全力投球した創業期を経て、事業を成長させていく秘訣

スタートアップ企業、上場企業ではCEOとCTO間の壁について悩まれている方が多いですが、上赤さんが思うCEOとうまくやっていくための秘訣を教えてください。

これに関しては身も蓋もない話ですが、個人の結果を出すことと、会社を軌道にのせることしかないですね(笑)
具体例としては、Globee入社以前、業務委託の方2-3名で開発したプロダクトよりも、私が一人で開発した方が開発スピードも早く、質のいいものが作れました。
やはりそこで技術面に関する信頼関係は生まれたと思います。
あとはシンプルに作ったモノが売れて、会社が軌道に乗ってくると衝突は少なくなります。

あとは二人の時はほぼ毎食二人で食事をしていました(笑)仕事の話をすることもありましたが、基本は仕事以外の話をしていました。

何度も衝突した上での現実的な意見ですね…!

そうですね。CEOとCTOの意見が食い違うのは当たり前の事だと思っています。
社長は夢を見なければいけない立場にいて、CTOはその夢を実現できるかという現実的な観点で見なければいけない立場にいますから。
大人になっても夢を見続けることは才能ですし、意見が食い違うのも自然の原理ですので、そこは会社にとって必要経費であると受け入れることも、CTOには必要かと思います。

他にこれからCTOや経営層で事業を始められる方へのアドバイスがあれば教えてください。

これから事業を立ち上げる方たちに伝えたいのは、創業期の会社で新しい技術をキャッチアップする時間は無いに等しいので、あくまで自分が今までに身に着けたスキルを使って会社を軌道に乗せられるかというチャレンジをする気持ちでいた方がいいです。
期限を決めて2、3年は消失するという心構えをもって挑む方が精神的にもいいですし、事業にも本腰を入れられるのでいい方向に進むと思います

また先ほどの話と重なりますが、ベンチャー企業でCEOとCTOが衝突しないことは不可能なので、正式にリリースする前に大きな衝突を経験している方がいいかもしれません。
衝突してしまえば、どちらか片方が歩み寄らなければいけないことが前提なので。

あとは現実的な話にはなりますが、スタートアップで役員待遇で働く場合、稼働時間はかなり多くなると思うので、稼働についてや、利益が出た場合のリターンについては事前に確認しておく方がいいと思います。

組織の拡大に伴い、開発→マネジメントと優先順位が変化。急成長を遂げていくGlobee。abceedを世界一の教育サービスに

現在のエンジニア組織についても教えてください。

現在はiOSエンジニア3名、Androidエンジニア2名、Webフロントエンジニア2名、デザイナー2名、バックエンドエンジニア1名、リサーチャー1名と全体で10名程度のチームで行っています。全員正社員で、自走できるシニア層の方を採用しています。平均年齢は30代後半ですので、私よりもご年齢が上の方が多いです。

ご年齢が上の方が多いのですね!メンバーをまとめる立場として何か意識されていることはありますか?

「意思決定の基準をぶらさずに、素早く行うこと」と、人との信頼関係を築く上で当たり前のことですが「約束を守ること」は大事にしています。
あとは会社が決定したことと、事業部の代表者である私の意見とが食い違わないように気を付けています。そこが乖離してくると幾嶋との連携にも影響が出て、信頼関係が築けなくなってしまいますので。

2名体制だった創業期から組織が成長した今、上赤さんのやるべきことは変わりましたか?

当初はプレイヤーとして現場に立っていましたが、組織が拡大するに連れ徐々にマネジメント業務に移行してきました。
具体的には、要件に対してタスクを整理し、優先度をつけて割り振りを行うことや、質疑応答、1on1ミーティングの実施等、マネジメント業務がメインです。
プロダクトへの関りは仕様策定、要件整理、タスクの優先度付け、リリース前の最終レビュー、場合によってはヘルプでコードを書くこともあります。
現在はチーム規模的に1プロジェクトのマネジメントしか行っておりませんが、今後チームが増えていくとチームマネージャーのマネジメントを行う立場になると思っています。

今後プロダクト、事業が成長していく中でマネジメント層の採用を検討していますか?

現在は手も動かせてマネジメントにも興味ある方を採用したいと考えています。
現状メンバーも増えてきたので、2022年5月から1名プレイングマネージャーとして動いてもらっており、マネジメント業務の一部をお願いしています。
チームでマネジメントする人が一人ですと、何でも屋的な立場にもなるので細かいタスクが蓄積されてきます。上流のタスクのみ対応できるのがベストですが、細かいタスクもまとまっていないので切り出すのも難しく、今後ボトルネックになってくると予想はしています。

–最後に今後上赤さんがGlobeeで成し遂げたいことについて教えてください!

元々自分の力でどれぐらいのサービスが作れるのかを確かめたいという気持ちでGlobeeに入社したので、abceedを世界の教育サービスの中で一番いいと言い張れるようなプロダクトにしていきたいと思っています。「教育サービスといえばabceed」と認識してもらえるようにしたいですね。
「自分の代表作を作りたい」と思っている方、そして「abceedを代表作にしたい」と思ってくれる方と一緒に働けることを心待ちにしています!

\Globeeではエンジニアを積極採用中!/

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