CTOに聞く、HRTech企業ROXXのエンジニア組織がすごい理由

労働集約型になりがちな人材紹介業界を変えていくために『agent bank』『back check』などHRTech系サービスを展開している株式会社ROXX。本日は、その開発組織を支えるCTO松本氏へ自身のキャリアや組織について伺いました。

オンラインインタビューに応じる株式会社ROXX CTO松本氏
松本宏太氏|株式会社ROXX CTO

大学在学中の21歳の時、学生向けクーポンサービスの立ち上げ、技術責任者としてインフラからサーバサイドの技術を担当。2013年に株式会社オルトプラスに転職後はサーバサイドエンジニアとして運用を担当。そのノウハウを使ってベトナム子会社立ち上げの際にマネージャーとして担当。日本帰国後は2つのゲーム立ち上げを経験。その後、シード企業を対象とした、技術・資金の投資支援事業の技術担当者となり、株式会社ROXXにCTOとして転職。転職後はVue.js, Laravel, AWSをメインとしてフルスタックエンジニアとして活躍しつつ、社内の技術スタックの広報と向上のために技術ブログの立ち上げや、Laravue勉強会・NuxtMeetupなどの勉強会主催を行っている。

ROXXについて


はじめに御社の事業内容を教えてください。

弊社は大きく2つのサービスを展開してます。1つ目が人材紹介会社向けの求人流通プラットフォーム『agent bank』。このサービスでは、人材紹介会社が月額利用料を支払うことでサービス上に掲載されている約2,000件の求人に対して、自社で抱える転職者を掲載企業に紹介することが可能です。2つ目が転職者のリファレンスチェックを行う『back check』です。書類選考や面接だけでは分からない採用候補者の経歴や実績に関する情報を、候補者の上司や同僚といった一緒に働いた経験のある第三者から取得することができます。このようにROXXは、今までの市場に無かったような新しいサービスを展開しています。

ROXXに出会うまで:1年目の挫折からキャリアを立て直す

学生時代、クーポンサービスの立ち上げを経験されていますが、技術責任者になるまでの経緯を教えて下さい。また、いつどのようにして技術を学びましたか?

就活中に知り合った仲間とクーポンサービスを立ち上げることになったのですが、発起人がどうプロダクトを作っていくかというエンジニアリングの分野にあまり詳しくない方だったので、当時情報工学出身だった私に一任されました。正直、私も授業で理論的なところは学んではいましたが、プログラミング自体はほとんど未経験に近い形からのスタートでした。既にリリース日が決まっていたため、インフラ~サーバーサイド側の領域を独学で勉強しつつ、近くにいた有識者の方に教えていただきながら開発を進めました。

その後、晴れて社会人になる予定でしたが内定していた会社が倒産してしまったため、学生時代で携わっていたクーポンサービスを支援していただいた会社で働くことになりました。しかし、その会社は新卒を採用しているような会社ではなく、個々人がそれぞれ1事業を持つような会社だったので、新卒の私にとってはとても難易度は高く、成果を出すことができませんでした。このままだと自分のキャリアがまずいということで、1年後に代表と話し合いをし、事業のある会社でキャリアを積もうと決めオルトプラスへ転職しました。まぁ、事業のある会社がほとんどだと思いますが(笑)

オルトプラスではどのような仕事を経験されましたか?

入社直後はサーバーサイドのエンジニアとして1ゲームの開発担当をしていました。半年くらい経った頃、ベトナムで子会社作るという話が上がったので自ら手を挙げました。

当時会社からは10名強の社員がベトナムに渡り、ベトナムの社員のマネジメントを経験しました。一番苦労したことは、前提知識の違いからくるものが大きかったと思います。日本語は曖昧性が高い言語なのでベトナム人にとっては理解しずらく上手く伝わらないことが度々発生していました。なので、それらを適切に翻訳して日本とベトナムを繋ぐということは本当に苦労しました。

また、エンジニア的な視点でいうと、当時働いていたベトナムの社員は「理解していなくても理解しました」と返答する方がおり、コミュニケーション齟齬による成果物の乖離が発生しておりました。この乖離を埋めるために、私は依頼したら終わりという形ではなく、依頼した内容を本人に言葉にしてもらうことで、理解に差があるかどうかをチェックしていました。

ベトナムから帰国後、どのような仕事をしましたか?

4カ月後、プロジェクトが無事終わったので、日本に戻ることになりました。日本に帰国してからはいくつかのソーシャルゲームの開発メンバーとして仕事をしていたのですが、ある時ソーシャルゲーム以外の新しいことに挑戦したいという気持ちが強くなり、役員に相談したところ、これまで会社で実績を積み上げてきたこともあり、投資事業を立ち上げるのでCVC担当をやってみないかと打診されました。私自身投資へ興味を持っていたため挑戦することにしました。この時、交流があった高知県職員の方とアイディアソンなどビジネス企画をして高知県初の事業を作ったり、CVCの領域で投資先の支援を行いましたね。その後新しく入社したCTOが立ち上げた技術部にてブロックチェーンを使うプロダクトの開発も行いました。

2017年4月、ROXXに転職した理由を教えて下さい。

ROXX(旧名:株式会社SCOUTER、以下ROXX)の代表中嶋との最初の出会いはオルトプラスでCVCの担当をしていた時でした。それからスタートアップ系のイベントで会うと話をするような関係性が1年ほど続き、ある時中嶋からサービスが伸びそうなのでROXXへ入社してくれないかと誘われました。

私がROXXに入社を決めた理由は大きく2つあります。1つは当事者になれるという点です。CVC担当の時は、こうしたらもっと良くなると思っても当事者ではないので、何もすることができないということに対してモヤモヤしていました。会社へ入社し、フルコミットしたほうがバリューを出せるのではないかと思いました。もう1つは、ROXXが独自のバリュー・チェーンを生み出している点です。クーポンサービスの開発に携わっていた時の話を例に挙げると、通常のクーポンサービスは飲食店からお金を貰って成り立っていますが、私が関わっていたクーポンサービスは飲食店の顧客に対してリーチしたい広告主から収益を得るモデルであり、飲食店にお金をカムバックするという形でした。この時、既存のバリューチェーンを少し変えて新しいバリューチェーンを生み出すということがとても面白いと感じました。このように、当時の『SCOUTER』も、誰でもエージェント業務を出来るようにするものだったので、業界的に面白いと思いましたし、プロダクトとしても共感出来たので入社することにしました。

ROXX入社後:CTOとして組織作りに挑む

オンラインインタビューに応じる株式会社ROXX CTO松本氏(画像右下)
ROXX入社初期のエンジニア組織について教えて下さい。

私は、代表の中嶋から「CTOやっていいよ」と言われたので、「やります」と返事をしCTOというポジションで入りました。正直、当時はCTOとは何をする人なのか全く分かっていなかったのですが(笑)また、CTOという立場で入社しましたが、エンジニア組織は社員3名とインターン数名で運営しており、皆年下だったこともあり快く迎え入れてくれました。

ROXXへ入社して3年ほど経ちますが、現在CTOとしてどのような業務に携わっていますか?

今は、インフラの割合が約半分と高く、エンジニア組織の人事(評価や採用)が3割、情報システム周りが1割というような業務内容です。

とは言っても、私がやることは時期によって大きく変わります。入社当初、サービスは『SCOUTER』しかなかったので、SCOUTERをどう伸ばすかというところをメインに動いていました。それからは採用を強化するため、エンジニア組織をもっと外部へ知って貰うための動きをしており、『backcheck』の立ち上げの際は自らコードを書いていました。

このような経験から私は、一番大事な課題を技術的に解決するのがCTOの役割だと思っております。CTO自身がコード書いた方がそれが達成するのであれば書きますし、書かないで他の人採用したほうが今後スケールすると思えば採用すればと良いと思っています。必要に応じて、事業のプロダクトマネジメントが必要な時はやります。

ROXX入社後:組織の統率とブランディングについて

エンジニア組織が拡大する中でどんな課題がありましたか?

2019年4月時点、開発メンバーが15名になり、開発ラインも複数走っている状況でそれぞれの開発ラインが独立駆動で走っていました。弊社の場合は、事業部を横断する異動がなく、事業部ごとにそれぞれのコミュニティが形成されていたため、このままだと開発組織全体としてまとまりがなくなるのではないかと危惧しました。そこで、開発組織の理想像を定義し、ROXXとしての開発組織の拠り所を作ることにしました。

2019年はLaravel+vue.jsの勉強会やNuxtMeetup開催されていますが、どのような目的で開催していましたか?

大目的は、“理想の開発組織”に近づけることです。私が定義した理想の開発組織を簡単に説明すると「自分の意見や情報を発信しましょう」、「最高のパフォーマンスを出しましょう」、「新しいことにチャレンジしていきましょう」の3つです。そのための場を提供する目的で勉強会やMeetupを開催し、弊社メンバーが登壇することによって、露出する機会を増やしています。それ以外も開発ブログや技術評論社の「WEB+DB PRESS」連載枠をいただいたので、それらを通して情報発信しています。連載枠については、希望者が持ち回りで書いています。

御社のエンジニアメンバーの技術力に松本さん自身も信頼が厚い印象ですが、エンジニアの採用ポイントを教えて下さい。

1番は、弊社の実現したい開発組織に共感してもらえているかという点です。さらにそれを体現していただいた経験を持つ方には是非入社して欲しいと思っています。

それ以外には、「自分の言葉で説明できるかどうか」は大事にしていますね。いくら技術スタックの経験があっても、その中身を理解せずコピペで実装することもできるのがプログラミングかと思っています。ただそれだと応用性が低く将来的に技術的負債につながる危険性があるため、プロダクト開発を行っているROXXでは開発ポリシーを自分の言葉で説明できるかを見る必要があると考えています。弊社は、サービスでLaravelとVue.jsを使っているのですが、これらの言語はスキル差が明確に分かれるのでスキルチェックでは特に重視すべきポイントかと思っています。

加えて、弊社のサービス『back check』であるリファレンスチェックも信頼しているので、前述のような良い特徴が出ていたら採用しています。

人材系のサービスだとエンジニアへの魅力付けに苦労しそうですが、どのようにしてエンジニアに興味を持ってもらっているのでしょうか?

「Laravel・Vue.jsといえばROXX!」という風にエンジニアに第一想起してもらえるよう取り組んできました。地道に活動してきたため、エンジニア界隈では、「何やっている会社か分からないけど、この会社のエンジニアは知っている」というようなところまで持っていけたことは大きかったと思います。事実、同じフェーズのHR系の会社に比べると、エンジニアへの魅力付けは成功している方ではないでしょうか。詳しく知りたい方はこちらをご覧いただければと思います。

エンジニアの評価制度について教えてください。

現在は、市場価値ベースで評価してます。しかし、まだ十分ではないので変更する予定です。

最後に今後、CTOとしてどのように会社へ貢献していきたいですか?

弊社の特徴としてトップラインを伸ばしていく力が非常に強いので、私はセキュリティ分野など守りの部分をしっかり整えていければと思っています。個人情報の情報漏洩は一番怖いので、きちんと管理し良い組織にしていきたいです。

松本氏のおススメのビジネス本
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