2011年に早稲田大学卒業後、Googleへ入社。データサイエンティストとして活躍。2015年、THECOOにジョイン。会員制ファンコミュニティプラットフォーム『Fanicon』の企画・立ち上げに携わる。
THECOO株式会社について
当社は、ファンコミュニティプラットフォーム『Fanicon』を運営するFanicon事業と、インフルエンサーを用いたマーケティング施策支援やオンライン広告コンサルティングを行う法人セールス事業を展開しています。
私が企画・立ち上げから携わっている『Fanicon』は、一言で表すと「ファンクラブアプリ」で、タレントやアーティストなどアイコンとファンがコミュニケーション出来る場を提供しています。アプリ内では、ライブ配信、グルチャ、1on1トークでファンと盛り上がろう!月額課金に加え、ポイント制のスクラッチくじをお楽しみいただけます。
同サービスは、 2017年開始以降、順調に拡大し、現在、コミュニティは約2,300組、ファン数約18.1万人となっており当社の売上成長の柱になっています。
※2022年3月時点の実績
大学生で始めたインターネットビジネス。グローバルで繋がるインターネット業界に可能性を感じGoogleへ入社
私は、もともとインターネットが好きな大学生でした。今では、みなさん当たり前に使っているインターネットですが、当時は、まだアンダーグラウンド的なもので、2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)やニコニコ動画、mixiなどのエンタメや、旅行の予約チケットやAmazonなどのショッピングなどが徐々に普及し始めていました。
これらの登場により、今後全てのものがインターネットに置き換わっていくだろうな、と予兆を感じたため、大学1年生の頃から漠然と「インターネット業界で生きていきたい」と思うようになっていました。
それからは、大学の友人の城君(今同社で働いているエンジニア)と、見様見真似で、ホームページを作成して、中小企業向けに販売していました。サイトが数千万円位で売れた時には、「やっぱり、インターネットってすげー!」と思いましたね(笑)
サービスを作ることがとても好きだったので、ホームページ以外にも色々なサービスを作っていました。その中で、作成した検索スパムがウケて、Google AdSense(Googleの提供している広告配信サービス)で月100万円ほど収入が入ってきたこともありました。ますます、インターネット業界の可能性を感じました。
インターネットの最大のメリットは、「グローバルなところ」だと思っています。日本に留まらず、海外でもサービスを展開できる企業が良いなと思い、その中で、新卒で受け入れてくれる会社に絞ると、当時は意外と選択肢が少なくて。必然的にGoogleに絞られていきました。
Googleは、一般の就活サイトでは求人が掲載されていなかったため、Googleのホームページで、英語の履歴書を書いて申し込みました。
Googleは、ビジネス職とエンジニア職の2つの職種に分けて採用していました。エンジニア職は、未踏エンジニアや院卒ほどの技術レベルが求められていましたし、私のキャリアの志向とも違うと感じたので、ビジネス職として入社しました。
それから最初は、GoogleAdsという広告事業部で、カスタマーサポートチームとして働いていました。しかし、私は、やはり、技術とビジネスの中間でモノを作るような仕事をしたかったため、新しいポジションが新設された時に、私の志向に一番近かったデータアナリストの道へ進むことにしました。
何不自由なかった生活を捨て、「自分でサービスを作りたい」という夢を実現するためにTHECOOへ入社
最近ではとてもメジャーになりましたが、AIや機械学習などを使ってビックデータをビジネスに活用する仕事です。
Googleが持っている膨大な検索データの中から、検索クエリは多いけれども、広告が出ていないようなニッチなキーワードを探すことをしていました。例えば、「養蜂キット」のような検索クエリは多くニーズは高いけれど、広告が出ていないキーワードを見つけることができると、養蜂キットを取り扱っている企業に「検索ニーズがあるので、是非ここに広告出しましょう!」という提案ができたりします。
このように、Googleの売上を支える広告枠をいかに効果的に埋めていくかということに貢献できていたので、とても面白く仕事ができていたと思います。
Googleに対して何一つ不満はありませんでしたが、Googleのサービスは、Gmailや検索などインフラのようなサービスが中心なので、私が実現したい「インターネットのサービスを作りたい」という夢は実現しにくいなと感じていました。
「もっとユーザーとコミュニケーションが発生しそうなビジネスに携わりたい」と、思っていた矢先、Google時代の直属の上司だった平良さんからTHECOOへ入社しないかと誘われました。
丁度、THECOOも、色々とくすぶっていた時期でしたので、自分が入社することでサービスの立ちあげに貢献できるのなら嬉しいなと思いましたし、なにより、自己実現の場が揃っているということがジョインの決め手になりました。
ファンクラブアプリ「Fanicon」の開発。大事にしたのはユーザーの生の声
私が入社した当時のTHECOOは、toB向けのインフルエンサーマーケティング事業を中心に展開していました。その中で、私はtoC向けのサービスをやりたかったのですが、あまりにも事業とかけ離れていると、賛同は得られないだろうなと思いまして。その落としどころが「ファンクラブ」だったというわけです。
サービスを作るためには、エンジニアが必要なので、大学時代に一緒にサービスを作っていて、当時リクルートでエンジニアとして働いていた城君に声をかけました。
エンジニアの城君がジョインしてから、2人で開発を始めました。私が、プロダクトを考えるプロダクトマネージャーの役割を担当し、城君がプロダクトを作るエンジニアというのが主な役割分担でしたが、2人しかいないのに1人が考える人、1人が作る人というのはどうも比重が合わないので私も一緒にコードを書いていました(笑)
スタートアップのプロダクトマネージャーは、プロダクトの成功のためなら何でもやらなければならないと思っていたので、初期はコードを書くことも厭わないという覚悟で臨んでいました。
代表の平良が「プロダクトを作るなら、及川さんに聞いてみたら?」と、Googleでエンジニアとして活躍した経験を持つ及川卓也さんを紹介してくれて、色々と聞きながら進めました。
及川さんは、私にとってプロダクトマネージャーを教えてくれた師匠のような方で、現在も当社の技術顧問としてサポートしてくれています。
“ユーザーへのヒアリング”がベースになっています。
初期の『Fanicon』は、ブログのような投稿ができる機能とタレントとDMができる機能のみの実装でしたが、DMは制限なく送信できたため、ファンは嬉しくても、タレントは疲弊してしまっていました。タレントの方から「私はチャットレディじゃない」と言われてしまうこともありました。
このままではいけないと思っていた時、その解決の糸口になったのが、初期の頃から『Fanicon』を使ってくれていたYouTuberのファンの方でした。
彼は、ファンクラブのメンバー限定で「LINEグループ」をつくっていたので、私もそこに参加してみることにしました。すると、そこではファン同士が凄まじい熱量で交流していて。ただただ驚かされました。
この時、ファン同士がつながる場所が求められていて、グループチャットがあるとコミュニティになるんだという気づきを得て、「グループチャット」を実装しました。
このように私は、定性的なデータからヒントを得て、機能実装することが多いです。もちろん定量的な数値分析は大切ですが、その辺りは他に社内にできる人は沢山いますので、私自身は、PdMならではの視点を大切にしています。
フェーズの問題でもありますが、0→1の場合は、定量データがないため、ファンのニーズを聞くためには、定性データが判断の基準になってきます。
しかしながら、定性データは、アンケートのような形式で恣意的にとったものではなく、限りなく「生のデータであること」が大切です。したがって、先ほど例に挙げたファンクラブ限定のLINEグループのように、相手のホームでヒアリングすることを意識しています。
限りなく生の声を聞くために、最初の頃は、全てのユーザーのお問い合わせに対応したりしていましたね(笑)
2017年の7月頃、城君に加えて、iOSとAndroidのエンジニア1名ずつ、デザイナー1名の計5名体制でした。
全て友人の紹介です。大きめのベンチャーにいて、エンジニアとして腕は立つけれども、そこまで活躍しきれていない人を探すという戦略で、誘っていきました(笑)
今でもリファラル採用が多く、実際、Twitterで3名くらい採用へ成功しています。Twitterを通して知り合った方と一緒にゲームしたりして交流を深めながら、「うちに転職してくれたら嬉しいなぁ」と思ってたりします(笑)
優秀なエンジニアは、なかなか転職市場に出てきませんので、Twitterでの出会いも大切にすることがとても効果的だなと思っています。
THECOOの開発組織は、インハウスでスモールチーム。大事にしている指針はたったの3つ
現在18名で、役割は下記の通りです。
■開発メンバーの組織図
・プロダクトマネージャー 2名
・エンジニア 13名(+1名)
-サーバーサイドエンジニア 5名
-iOSエンジニア 2名
-Androidエンジニア 2名
-デザイナー 2名
-フロントエンドエンジニア (1名入社予定)
-QAエンジニア 1名
-データサイエンティスト 1名
・サポートチーム 3名
エンジニアはなるべく少人数で、役割をしっかり決めて、スモールチームでドライブしていく組織を理想としています。
業務委託など外部リソースを活用することもありますが、その方たちも、ゆくゆくは採用したいという思いを持っているので、原則はインハウスです。
現在は、ユーザーヒアリング(3割)、仕様作成(3割)、残りが採用や取締役会の資料など開発以外の事業責任者の業務(4割)です。
今は書いていないですよ!優秀なエンジニアが入ってきてくれて、「星川さんのコード全部書き換えておきましたんで!」と言ってくれてます(笑)私はコードを書くプロではないので嬉しい話です。
こちらは入社当初から変わらず、私が、WHAT(何を作るか)を、城君がHOW(どのように作るか)を決めるという役割分担です。
形式的なミーティングなどは入れず、私がドキュメントに落としたものを城君にレビューしてもらって、一回席で軽く話すという形で進めています。
エンジニアは作業時間をどれだけ確保できるかが重要だと思うので、そこは邪魔したくないんです。
コミュニケーションサービスなので、青少年犯罪などのトラブルが起こらないようにするという点は、他のtoBサービスより気を付けていました。法務と連携しながら、アイコンの方やユーザーの審査を行うなど、安全が担保できるように対応していきました。
私自身、細かいことはあまり口出しする方ではないですが、開発のチームに行動規範になるような3つの指針は、半期に1度必ず共有するようにしています。
1つ目が「ファミリーファースト(Family First)」。家族より仕事が優先されることはないというのが基本の考えで、家族を最優先して仕事をして欲しいと伝えています。一緒に働くメンバーへもその点を配慮して接し、また自分自身に対してもそうあって欲しいと思っています。
2つ目が「ユーザーのためだけに仕事をすること(Focus on Users)」。ユーザー以外の他の要素は考えなくてよいので、ユーザーのためだけに集中して仕事をして欲しいということです。もし、他のことを考えなければならない状況になってしまっていたなら、それは私の仕事なので、相談してほしいと伝えています。
3つ目が「PMのジャッジに対してコミット(PM CALL)」。私たちは多数決で決めることなく、最後はPMが意思決定します。その代わり、その責任も全てPMが取るから、その意見を尊重してほしいと伝えています。
以上の3つの指針が、開発チームの行動の指針になっています。
また、社内の壁には、漫画『東京喰種』の「この世の不条理は全て当人の能力不足」という言葉が貼られています。そのおかげか、言い訳するメンバーが少ないように思います(笑)
インターネットは、日本だけのものではなくグローバルなものです。つまり、アメリカ、さらには世界のマーケットで使って貰える可能性があるということです。
今後は、そんなグローバルマーケットで戦えるようにサービスを育てていくべく、頑張っていきたいです。
\THECOOではエンジニアを積極採用中!/