月間1,600万UUを誇る「地域×IT」サービスのCTOが語る、地域の案内人を目指してこれまでやってきたこと・今後やるべきこと

前田 卓俊 | 株式会社ロコガイド 取締役CTO

高校を卒業後、医療系システムインテグレータに就職。その後Webサービスを提供するスタートアップ企業の株式会社Labitに転職し、取締役CTOに就任。バックエンドからAndroidアプリのフルスクラッチまで幅広く手掛けた後、クックパッド株式会社へ転職。有料会員事業の開発、買物情報事業の開発統括を経て、2016年より株式会社ロコガイド取締役CTOを務める。

株式会社ロコガイドについて

まずはじめに、御社の事業内容を教えて下さい。

弊社は、2016年会社設立以降、チラシ・買い物情報をお届けする『トクバイ』を中心に事業を展開してきました。更なる事業の拡大に向けて、2021年10月より組織体制を見直し、現在は毎日の生活に、かしこく楽しくなるためのくふうを当たり前のように提供すべく、地域に根差したリアルな生活情報サービスの展開に注力しています。

『トクバイ』は、近くのスーパーやドラッグストアなどのお得な情報にアクセスできる、いわゆるデジタルチラシサービスで、現在、掲載店舗数は55,000店以上、月間1,600万人以上の方にご利用いただいております。

以前は社名もサービス名と同じ株式会社トクバイだったのですが、2019年8月に社名を株式会社トクバイから株式会社ロコガイドに変更しました。ハワイ語で地元や地元の人を意味する”ロコ”と、英語で案内人を意味する”ガイド”を組み合わせ、「地域の案内人」として、買い物情報だけではなく、日々変化する様々な地域の情報をインターネット上にリアルタイムに流通させ、プロダクトを人々の生活に寄り添った総合情報サービスに進化させたい、という思いを込めました。

機械いじりが好きだった少年時代。高校で再びモノづくりへの情熱が開花し、自然とプログラマという道を選んだ

最初に、前田さんがインターネットやプログラミングに興味を持ったきっかけは何でしたか?

父親の仕事の影響もあり、小学4年生位の頃、WindowsMeのパソコンが私の部屋にやってきました。当時は、有志が作っているパソコンゲームで遊んでいたのですが、もともと機械をいじることが好きな少年だった私は、公開されていたゲームのソースコードを元に、サーバーを立て、少し改修してゲームバランスを調整して遊ぶようになりました。また、KENT-WEBというサイトで配布されているソースコードを利用して、CGIを動かしたり、カスタマイズしたり、色々な人に使って貰ったりという経験をしました。これが私のプログラミングの原点だったように思います。

その後、本格的にプログラマーを目指すようになったのはいつ頃でしたか?

商業高校の情報処理科へ進学すると、授業の一環としてプログラミングの授業がありました。高校で学ぶようになってから、再びプライベートでもプログラムを作るようになりました。

当時、Decologという無料ブログサービスが流行っていて、皆、サイト内に何人訪問したのか計測するカウンターを設置していたのですが、ある時、友達から、「オリジナル仕様のカウンターを作れない?」と相談されて、独自仕様のカウンターを開発して提供するなど、趣味で身の回りの課題を解決するいろんなプログラムを作っていました。その謝礼にジュースを奢ってもらったり、いろんな方法でお小遣いを稼いでいたのを覚えています。

高校卒業後、システムエンジニアとして就職されていますが、その進路を選ばれた理由を教えていただけますか?

大学進学するか、就職するかの2つの選択肢がある中で、早く働きたいという気持ちがあったので就職の道を選びました。当時から、自分でライブイベントを企画したり、アルバイトとしてライブイベントのPAエンジニアとして音響システムを作っていたり、自分でお金を稼ぐことが楽しかったので、早く社会に出たいという気持ちが強かったことが一つの理由です。そして何よりも、ソフトウェアを作って身の回りの誰かに使ってもらえる、喜んでもらえる体験が病みつきになるほど楽しく、そんな中で、進路指導室の先生にもシステムエンジニアの仕事を薦められ、地元長崎の医療情報システムを提供するSIerで働くことになりました。

この会社では、電子カルテや医療用画像情報システム(レントゲンやMRI、CTなどで撮った画像を診断をするためのソフトウェア)などを構築、運用支援をするような業務に2年ほど携わりました。

高校時代の友人に誘われ、長崎から上京し、スタートアップへジョイン。がむしゃらにコードと向き合う日々を過ごす

その後、スタートアップ企業への転職を機に上京されていますが、入社の経緯を教えて下さい。

2011年のある日、高校の同級生が会社を立ち上げることになり、誘われたことがきっかけで株式会社Labitに取締役CTOとしてジョインしました。

彼とは高校時代3年間同じクラスで、プライベートでも一緒にライブイベントを企画したり活動していました。また、卒業してからもWEBのシステムやサイトについて会話をするような関係性だったので、自然な流れでした。

前田さんは、Labitではどのような仕事をされていましたか?

Labitは、「すごい時間割」という、大学生の時間割を学生同士で共有できるサービスを開発、提供していました。私は、当時CTOという役職でしたが、会社全体で10名程、エンジニアも数名の組織だったので、マネジメントという役割よりも、ゴリゴリにコードを書く現場リーダーやテックリードのような立場でした。

スタートアップCTOから大手サービスのエンジニアへ転職。そこには、身に着けたいスキルがあった

その後、2014年2月、クックパッドへ転職されていますが、その経緯を教えていただけますか?

2014年、「すごい時間割」の事業譲渡が決まり、それが私の中でも1つの区切りになりました。地方から出てきて、スタートアップ1社を経験という自分自身のキャリアを改めて見つめ直した時、がむしゃらに手を動かしてきたため、お作法がまるで分かっていないなという感覚がありました。

当時の自分に不足していると感じた「事業を伸ばすためのエンジニアリング」を、大きな規模の会社のエンジニア組織の中で経験したい思いから、転職を決意。知人から声をかけていただいたことがきっかけで入社しました。

入社後、どのような業務に携わっていましたか?

最初は、サービスを開発するエンジニアとして有料会員事業部でサービス開発に携わっていました。当時は、サイトに来ていただいた方に、良いサービスだと思っていただき、有料会員になっていただける方を増やすためのマーケティング課題に日々取り組んでいました。

当時「グロースハック」という考え方が流行っていましたが、私の上席の部長が「グロースハック」という本の執筆に携わっていたので、それを身近に学ぶことができたのも、良い経験でした。

その後、買物情報事業部(後のトクバイ事業)を統括されていますが、統括する立場になるまでの経緯を教えて下さい。

買物情報事業部へ異動してからは、「今後の開発計画を見える化し、チームでプロダクトを改善する速度を上げるために必要なプロセスの導入」や、「ユーザーインタビューやデータからわかるユーザーインサイトを、プロダクト改善につなげるにはどうするべきか」など、プロダクトやチームを良くするため、目の前の課題を解決するために、当時の事業部長と試行錯誤を繰り返していきました。

組織改善に関わっていく中で少しずつメンバーからも信頼してもらえるようになり、徐々にチーム作りに関わる比率が上がっていきました。結果としてエンジニアのリーダーのようなポジションになりました。

「トクバイ」がMBOにより独立。CTOを打診されたときはその荷の重さに葛藤もあった

2016年、株式会社トクバイ(現在の株式会社ロコガイド)として独立後、開発部長を経て、取締役CTOに就任されていますが、その経緯と当時の心境を教えて下さい。

「トクバイ」事業が会社として独立する際、事業部長から、新会社の取締役 CTOをやってくれないかと打診されました。打診された当時は正直迷いました。

取締役とは、現場のマネジメントとは異なり、会社へ長期的にコミットして、道を切り開いていかなければいけないとても重い立場であると身を持って実感していたためです。

そんな私の決断を変えることになったきっかけは大きく2つあります。

1つ目は、過去に上席だった方や当時のチームリーダーのエンジニア(現VPoEの小川)と話をする中で、「過去の経験に基づいてやらないというのは、固定観念に囚われすぎなんじゃないか。挑戦してみても良いんじゃない」と言われました。

その言葉を言われた時は、反抗もしましたが、同時に確かにその通りだなと腑に落ちました。支えてくれる仲間もいるという安心感が背中を押してくれたように思います。

2つ目は、プロダクトの重要な部分にコミットすると誓ったからです。独立が決まった当時、システムは独立を考慮したアーキテクチャではまったくなかったため、システムの独立性を確保するためにはたくさんの困難がありました。しかし、サービスをご利用頂いている方もたくさんいらっしゃる中で、仲間とともに目の前のサービスを成長させたい一心でやり切るための覚悟が決まったのもこのときだったように思います。

ユーザーファーストな志向を持つエンジニア。支えるのは、ロコガイドの組織体制や1on1

トクバイとして独立してから、エンジニア組織はどのように変化していきましたか?

会社設立時のエンジニアは4、5人程。それから1、2年で10名ほどに増え、現在は20名程度の組織になりました。

通常のスタートアップですと、エンジニア数に合わせてシステムの機能も拡充していくと思いますが、弊社の場合は、既に大きな規模のシステムが存在していて、少人数でそれをいかに回すかというところに課題があるため、他のスタートアップとは少し課題の性質が違っているかもしれません。

現在のエンジニア体制はどのようになっていますか?また、前田さんはどのように業務に携わられていらっしゃいますか?

ロコガイドのエンジニアは、技術本部とトクバイサービス開発本部の2つの事業部に分かれています。

①技術本部:システム、社内インフラ、基盤など「技術」に関する部署

技術本部に関しては、VPoEの小川が中心となり、インフラストラクチャ―の方向性、開発基盤のメンテナンスなどを進めています。私は、適宜、小川とコミュニケーションを取りながら、業務の進捗の確認や方向性のすり合わせを行っています。

②トクバイサービス開発本部:「トクバイ」のプロダクト開発を行う部署

プロダクト開発は、プロダクトオーナーと二人三脚で運営をしています。テックリードが4名いるので、毎週定例ミーティングを設け密にコミュニケーションを取りながら進めています。プロダクトのステータスに応じて、私の入り込みの度合いは変わっていますが、主に、判断に迷うような場面で意思決定をサポートしたりしています。

御社のプロダクト開発では、どのようなフローで意思決定がなされていますか?

エンジニアは、ディレクターやデザイナーと一緒になって1つの部門を作っています。プロダクトオーナー(部門長)が強いオーナーシップを持ちながらプロダクト開発を推進し、その中で、ディレクターやデザイナー、エンジニアなどが議論し、プロダクトを磨き込んでいきます。

また、ユーザーファーストな視点を持ってプロダクトを開発するために、日々、「解決しようとしているものや取り組もうとしているものが、技術本位になっていないか、何がベストなソリューションか」を考える機会や時間を多く設けています。さらに、テックリードのレイヤーであれば、「それを実現するためにどうチームに働きかければ良いのだろうか」を一緒に議論しています。

プロダクト志向を持ったエンジニアが多いのですね。

そうですね。 チームメンバーと会話する時、サービスに関する話題がとても大きな割合を占めています。恐らく私だけでなく、サービスに磨きをかけることへの意識が非常に高いメンバーが多く、皆日々考えているのだと思います。

ユーザーファ―ストな開発を実現するために、エンジニア組織として気を付けていることや行動指針があれば教えて下さい。

大切にしていることは、「組織や職種に合わせて言葉を増やさないこと」です。なるべく、全社指針の言葉を使うようにしていて、言葉を変えないように気をつけています。

同様に、エンジニア独自の行動指針も作っておらず、会社全体の指針をもとに行動しています。

会社全体とエンジニアの2つ指針があると、どちらを見たら良いか分からなくなってしまうためです。

とはいっても、職種によって体現すべき行動は変わってくるところもあるので、その行動ができる状態に環境を整えたり、エンジニアとしてのあるべき姿が分かるよう、各メンバーと対話し、それぞれの特性に合わせてどんなことにチャレンジするのかを落とし込むようにしています。

前田さんは、メンバーとの会話の頻度は高いようにお見受けしますが、どのようにコミュニケーションされていますか?

メンバークラスとは、2週間に1回1on1、テックリードとは1週間に1回行っています。話す内容は、時と場合によって異なりますが、仕事の課題への取り組み方や、キャリアの話やチャレンジの方向性の話をしています。

それぞれが抱えている課題を解決するためにすべきことを一緒に考え、短期的な期間を設けて、チャレンジの結果を聞かせて下さいね、と課題を出し、それからフィードバックするというように、双方でやりとりができるよう心掛けています。

買い物情報だけじゃない。ロコガイドが目指すサービスの理想の姿

色々な取り組みについてお聞かせいただきましたが、最後にエンジニア組織の自慢できるところを一言お願いします!

日常生活に関わるtoCサービスを扱っているので、エンジニアでもサービスに対する意識が非常に高い人が多いと思います。

お店と生活者の方の双方向からサポートしたり、多職種と連携の度合いが高いので、大変なところはいろいろありますが、良いモノを作りたいという思いを共有し合って、プロダクト開発に取り組める仲間がいる点は自慢できるポイントです。

例えば、トクバイはサービスの性質上、「来店計測」がとても大事な要素になってきますが、ある時、エンジニアメンバーから自発的に「試してみたいアプローチがあるから、時間をとってやって良いでしょうか?」などと新たな手法を提案してくれたことがあります。

このように、サービスを良くするために「こうしたい」「解決したい課題がある」と強い思いを持っているメンバーがいて、それを提案しやすい環境もロコガイドにはあります。

最後に、前田さんがロコガイドで成し遂げたいことを教えて下さい。

「地域×IT」の分野で、生活にしっかりと密着したサービスをデザインできている会社は、実はまだ多くありません。

デジタル庁が発足したり、ワクチン接種の予約をオンラインで完結できるなど、地域の生活にもデジタルが根付き始めているところですが、まだまだ便利になる可能性に満ちていると考えています。

例えば、旅行する場合は、観光でどこに訪れるべきか、どこに泊まるべきかなど情報が溢れていますが、一方、自分の半径数kmの毎日の暮らしを潤わせるようなサポートが上手くできているデジタルサービスは、残念ながらまだ少ないです。

今、弊社は「トクバイ」というサービスを通して、近所のお店で何をお得に買うことができるのかという情報を提供していますが、生活というものは、買い物だけに限りません。例えば、この町で開催されるお祭りなどのイベント情報や、パン屋ができたというような新店の情報、近所で評判の美容室の情報など、デジタル化が進んでいない、まだまだたくさんの情報が存在します。

このように、お店と生活者の方の繋がりをつくることはもちろんのこと、総合的な視点で、地域の生活を良くするために、事業の拡大に邁進していきたいです。

\ロコガイドでは、下記エンジニアを募集中!/

・Androidアプリケーション開発エンジニア
https://open.talentio.com/r/1/c/locoguide/pages/62049

・iOSアプリケーション開発エンジニア
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・サービス開発エンジニア
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・インフラ基盤エンジニア

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・開発基盤エンジニア

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・Meety(カジュアル面談)

https://meety.net/matches/bFRBDDdMQumX

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