2006年、ヤフー株式会社入社。WEBエンジニアとして写真管理・動画共有・メディア・SNSサービスなど多くのサービス立ち上げや技術基盤開発を経験。その後ヤフーを一度離れ、ソフトウェアエンジニアとして動画配信サービスの日本法人やベンチャーで多数の新規
サービスの立ち上げに従事。2012年再びヤフーに戻り、電子書籍サービスの開発マネー
ジャを経て開発部長に就任。電子書籍に関わるサービス運営や業務提携、JVの立ち上げ
など行う。2016年株式会社イーブックイニシアティブジャパンのヤフーグループ入りを機にebookjapan事業を担当。同社プロダクト開発部長を経て、現在は開発グループの責任者
としてebookjapanの開発全般・エンジニア組織を統括。
株式会社イーブックイニシアティブジャパン
当社は、ヤフー株式会社と協力して電子書籍販売サービス「ebookjapan」事業と、紙書籍のオンライン販売「bookfan」事業を運営しています。今年で創業21年目を迎える当社は、電子書籍市場では老舗の会社です。
創業者が出版社に勤務していた時、多くの返本された書籍が断裁・焼却される姿を目の当たりにし、地球環境への影響を危惧したことから、電子書籍の普及を目指すため当社を設立しました。
2016年には、ヤフーと資本業務提携。現在はZ ホールディングスグループとのシナジー強化に注力しています。電子書籍市場における弊社の利用者基盤を拡大することにより、電子コミック分野での国内取扱高 No.1 を目指しています。
学生時代は、劇団の運営をサポート。チームで何かを作りあげることに楽しさを感じた
高校生の頃、ゲームが好きでしたので、ゲームを作りたいという思いからプログラミングを始めました。当時は、本を見ながらBASICを打ち込む程度でした。同じ位の時期に、インターネットも普及し始めましたが、私の実家は京都の田舎町だったこともあり、あまり満足に回線が使えなかったと記憶しています。
本格的にプログラミングを始めたのは、大学に入学してからのことです。工業系の大学だったので、一通り授業でホームページ作成やプログラミングを学びました。そこに面白さを見出してからは、劇団や飲食店などのホームページの作成を請け負うようになりました。その中で、HTML/CSSやPerl/PHP、Flash/ActionScriptなどのプログラミング言語を覚えました。
大学時代、友人とバンド活動をしていたことが理由で、大学の知り合いから「音響機材って使える?劇団が音響スタッフを探しているから、手伝って欲しい」と依頼されました。それからは、劇団の音響やホームページ制作など運営スタッフとして携わるようになりました。
演劇の分野は、携わるまで未知の世界でしたが、実際に携わってみると、とても面白かったんです。この経験を通じて、役割の違うメンバーがチーム一丸となって舞台を作り上げ、それを誰かに見せて、喜んでもらったり、楽しんでもらうことにやりがいを感じました。「自分の技術を提供しながら表現者を支える仕事に就きたい」という思いが芽生え、就職活動では、その思いを実現できるテレビやマスコミ系の技術職を中心に選考を受けました。
選考が進む中で、今後はテレビよりもインターネット系のメディアの方が、多くの人に喜んでもらえるのではないかと思えたので、当時、新卒採用を行っていた中でも有名だったヤフーへ入社を決めました。
ヤフー入社後は、新サービスの立ち上げの経験を積んだ。さらなる成長を目指しベンチャーへ飛び込む
入社後は、ソーシャルネット事業部に配属されました。SNSへの期待感が高まっていた時代背景もあり、ヤフーとしても新しいサービスをどんどん作ろうと士気が高まっていた時期でした。
コミュニケーションの軸となるサービスとして、写真、カレンダー、メール、掲示板など色々と開発される中で、私は主に写真共有アプリ、動画投稿サービスの開発に携わっていました。当時一緒に開発していたメンバーは、今でもエンジニアの一線で活躍している優秀なメンバーが多く、沢山の刺激を貰いましたね。
特に印象的だったのは、ヤフーが吉本興業と連携して新サービスを立ち上げた時のことです。もともと私は、表現者を裏側で支えたいという思いを持っていましたし、加えて、「(就職活動の時)吉本興業に就職したい!」と思うほどお笑いが好きだったので、公募の案内を見た瞬間、迷わず応募しました。
ただ、集まったプロジェクトメンバーを見ると、エンジニア職は自分一人だけでした。ですので開発はほぼ一人で担当。大変なこともありましたが、裁量を持って仕事を進められたことに大きなやりがいを感じました。
きっかけは、ヤフーで同じチームで働いていた先輩が声をかけてくれたことです。
その当時、ヤフーは会社の成長に伴い、ビジネス部門・開発部門・運用部門の3つの組織に分かれました。そのことがきっかけで、これまでスモールチームでおこなうことができていた仕事も、部署間で調整しながら進める必要が出てきたり、承認フローが増えたり、開発案件もチャレンジングな案件よりは堅実な案件が優先的になり、徐々に息苦しさを感じ始めていました。
そんな時にお声かけいただいた先輩の会社はシアトルが本社の外資系で、日本法人はAsia-Pacific向けに動画メディアや広告系のシステムなどを開発していました。ここなら、これまでのようにスモールチームで新しいサービスを立ち上げたり、開発~運用までやりきる仕事ができると思ったので、この機会にヤフー以外の世界も見てみようと思い転職を決めました。
転職後はバリバリ開発しており特に不満はありませんでしたが、その後、仲の良かった友人が立ち上げたWEBサービスが急激に伸びて法人化するタイミングがありました。サービスも面白く、グロースへの期待も高く「ぜひ手伝ってよ」と話をもらった流れから、悩んだ末、立ち上げたベンチャーに移ってチャレンジすることにしました。
ベンチャーは変化のスピードがとても早く、数字や売上が伸びた時のうれしさは格別でした。一方で、大企業と違って、仕組みが整っていなかったり、資金を稼ぐために新規サービスを作ったりとやるべきことが多いのも事実です。
加えて、大企業より自由度が高くなる分、責任も大きくなります。やりたい事をどんな技術を使って実現するかを、今後のパフォーマンスやセキュリティ、コストなどを考慮しながら判断して決めていました。
攻めの姿勢に舵を切ったヤフー。全てに共感し、ヤフーで再挑戦することを決意。
再びヤフーで挑戦を決めた理由は、大きく2つあります。
1つが組織体制の変化です。2012年、ヤフーの経営体制が大きく変わりました。社長に宮坂さん、副社長に川邊さん、CMO(チーフモバイルオフィサー)に村上さんが就任するなど、攻めに舵を切っていくような経営メンバーに変わりました。その新体制発足に伴い、スマホファーストやバリューの見直しや、「爆速」というスローガンのもと権限移譲で承認プロセスが削減されたり、開発組織も企画・開発・運用といった部門横断からスモールユニットへと変化するなど大きな変化が起きました。
もともとヤフーに所属した身として、少なからず内情を知っていましたので、この変化の大きさに驚くとともに、今後ヤフーはものすごく面白くなりそうだと期待が膨らみました。
2つ目が、課題解決の規模の大きさです。2011年の東日本大震災が起きた時、ヤフーのような大きな企業の力を再認識しました。これまではどちらかというと小回りのきく小さめの組織やサービスを志向していましたが、どうしても課題解決の規模は小さくなります。ベンチャーで経験するなかで、もっと大きな規模で世の中の課題解決をしていきたいと感じるようになりました。
初のマネージャー職。技術志向から一転、チームの成果最大化へコミットする立場に変わった
ヤフーに戻った当初は、映像サービスの『GYAO』でエンジニアとして開発業務に携わっていました。それから『Yahoo!ブックストア』というサービスの開発チームのマネジメントを打診され、マネージャーになりました。この時、初めてマネジメントをおこなう立場に就任しました。
打診された当時は、エンジニアして手を動かしたいという気持ちが勝っていました。けれども、マネジメントの話をいただいた時、実は、ひとりでできることは限られているなと思いました。世の中には、「上司ガチャ」という言葉があるように、メンバーは上長を選べません。なので、自分が上長だった時にメンバーには「あの時、朝日さんがマネージャで良かったな」と思ってもらえるようにマネジメントも頑張りたいと前向きな気持ちを持てましたね。
今思うと、演劇の時もそうでしたが、自分は「チームでやること」が好きだったんです。なのでマネジメントも、チームの成果を最大化するにはどうしたら良いか、という思考に自然となったんだと思います。
一方で、マネジメントは、メンバーの評価等で給料や人生が変わるので、その人の人生を預かってしまうという責任も大きな仕事です。そのため、リーダー本を読んだり、部門のマネジメントメンバーを集めて情報交換したり、正しい評価ができるように日々試行錯誤しながら取り組んでいます。
イーブックイニシアティブジャパンで開発組織を統括。それまでの変遷と現在の組織
2016年、ヤフーブックストア開発部部長として、Yahoo!ブックストアの開発・運用をメインに、旧eBookJapanとの統合の検討・推進を行いました。2018年、ebookjapanプロダクト開発部部長に就任し、旧eBookjapanとYahoo!ブックストアの統合を進め、主にフロントエンド・アプリを中心とした新ebookjapanプロダクト開発責任者になりました。それから2019年、ebookjapan開発グループマネージャとして、統合後の新ebookjapanサービスにおける開発全般を見るようになりました。
2016年以前のエンジニア組織は5~6人でしたが、現在は40人程に増えました。現在のチーム体制は8チームで、フロントエンドやビューア、基幹システム、データエンジニアリング、SREなど役割別に小さなチームを作っています。
技術力に加えて、ピープルマネジメントができるかなど適性をみてアサインしています。また、キャリアシートで本人の希望をきちんと確認したうえで選出するようにしています。
時期によって異なりますが、現状ですと下記の通りです。
- 開発に関するプロジェクトマネジメント:3-4割
- 組織マネジメント:3-4割
- 中長期に向けた戦略策定及び実行:2割
- 採用関連:1割
フルリモート下での組織マネジメント。コミュニケーションのコツは、接触回数の多さ
当社は、全社的にフルリモートです。そのため、コロナ禍以降入社のメンバーのサポートは特に気を付けています。
オンボーディング時は、部門内の全メンバーと1回30分の1on1をオンラインで実施するようになりました。直接話して雰囲気や性格・考え方を知ることで、お互い話しやすい空気を作り、業務で困った時や課題が発生したときにコミュニケーションを取りやすくするためです。エンジニア全員(約40名)と話をするので、なかなか大変ではありますが、実際にジョインしたメンバーからは、「最初に部門内1on1があって良かった」と聞いています。
業務に入ると、本当に近いメンバーとしか接点を持てなくなります。そうすると、チーム間のコミュニケーションが希薄になり、仕事にも支障がでてきてしまいます。そのため、定期的に1on1や交流会、ランチ会など様々な企画をおこない、積極的に接触回数を増やしています。
会話のきっかけになるように、メンバー全員の自己紹介(経歴や好きなことなど)を可視化しています。もし自己紹介で気になるポイントや好きなことが重なっていれば、話のきっかけにはなりますからね。また、1on1では、仕事の話をするというよりは本人の困っていることやモヤモヤしていることを中心に話すことが多いです。
定期的に、各チームで勉強会やインプット会を実施したり、期末には開発メンバー全員で集まって振り返り会を実施しています。エンジニアリング、システム・アーキテクチャ、組織、チーム、個人など、様々な観点で、定期的に良かったことや課題感を振り返り、次のカイゼンアクションにつなげていけるような組織にするためです。
その他、「ebookathon」というハッカソンを定期的に開催しています。電子書籍サービス(ebookjapan)で活かせそうな何か面白いもの、役立つもの、新機能、あると便利なものをハッカソン形式で作ることで、下記の経験を多く積んでもらいます。
- 新しい技術、普段使わない(なかなか使えない)技術・テクニック・手法を試してみる
- 「自由な発想で、自分の手で、何かを作り上げる機会」をなるべく多く経験する
電子書籍のサービスを運営しているので、本好き・マンガ好きなメンバーが多いです。
そのうえで、お客さんに喜んでもらいたいというユーザーファーストな考えを持っている方ですと弊社で活躍できると思います。
たくさんの電子書籍サービスの中からebookjapanを選んで、使い続けてもらえるように、サービスの満足度を高めていきたいと考えています。
その結果として、まずは国内No.1の電子書籍サービスになること、そして世界を代表する電子書籍サービスになり、色んな人が「ebookjapanがあって良かった」と喜んで・楽しんでもらえたら、嬉しいです。
ebookjapanは「人生に、漫画を。」がコンセプトです。1冊のマンガや書籍で人生が変わることもあります。
そんな作品を生み出す日本の出版文化は素晴らしいものだと思います。会社としても、マンガや書籍ですべての人の人生をより良いものに変えるという決意を込めて「日本の豊かな出版文化で世界中を幸せにする」をミッションに掲げています。
豊かな日本の出版文化とともにebookjapanを人生にとってなくてはならないサービスにしたいです。
興味がある方、ぜひ一緒にやりましょう!よろしくお願いします。
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