プログラミングヲタクだった大学生がCTOになるまで。その原点はモノを分解することだった

生活関連のサービスを中心とした日本最大級のインターネット商店街「くらしのマーケット」を運営するみんなのマーケット株式会社。本日は、同社CTO戸澤氏に、プログラミング漬けの大学時代に、いかにして同社と出会い、いかにしてプログラミング好きのエンジニアからマネジメントを担うCTOの道へと進んだのか、話を伺いました。

戸澤 拓也|みんなのマーケット株式会社 取締役CTO

1990年7月生まれ。2011年1月みんなのマーケット株式会社へ入社。2018年12月同社取締役に就任。

みんなのマーケット株式会社について

まずはじめに、御社の事業について教えて下さい。

弊社は、生活関連のサービスを中心とした、日本最大級のインターネット商店街「らしのマーケット」を運営しています。

「くらしのマーケット」は、ハウスクリーニングや家事代行、出張カメラマン、家電の取り付け、リフォームを始めとする200以上のカテゴリの出張・訪問サービスを口コミや料金で比較して、オンラインで予約することができます。2011年7月にリリースして以降、2020年7月時点で登録店舗が4万店舗を突破しました。我々は、世の中の全ての出張サービスを頼めるマーケットプレイスを目指しています。

幼い頃から、”仕組みを知りたい”という好奇心が強かった

ここからは、戸澤様のキャリアについて伺います。戸澤様が、プログラミングを始めるきっかけとなった原点はどのようなものだったのでしょうか?

私は、両親共働きの家庭で育ったため、幼少期は祖父と過ごすことが多かったんです。祖父は、モノを作ることが好きで、色々なものを作っていたのでその影響が大きかったと思います。ただ、私の場合は、モノを作るというよりも分解することの方が好きでしたね。どこかしらでネジ穴を見つけては、ドライバーを回して分解してしまうような少年でした(笑)この頃から、仕組みを知りたいという好奇心が強かったように思います。

それから、父に小学生の頃にパソコンを買ってもらったことがきっかけで、中学生の頃プログラミングを始めました。「やさしいC」という本を買い、プログラミングの勉強を始めたのですが、環境構築のところで挫折してしまいました。そこでC言語の習得は諦めて、Perl、PHP、Ruby、Pythonに手を付け始めました。

幼少期から、仕組みを知りたいタイプの人間だったので、サイトの裏側に興味を持ち、プログラミングを始めるというのは私の中ではごく自然な流れでしたね。

プログラミングへのめり込んだ大学時代。普通の就活は無理だと思っていた

それからどのようにして、エンジニアという職に就くことになったのでしょうか?

高校時代は、一度プログラミングを辞めていたのですが、東京の情報系大学へ進学が決まったので、プログラミングの勉強を再開しました。

大学時代は、授業が終わると、家にこもってひたすらコードを書いたりアフィリエイトサイトの構築をしていました。サークルもアルバイトもやっていなかったので、非常に大学生らしくない生活を送っていたように思います(笑)

その傍ら、エンジニアの勉強会には積極的に参加していました。参加者のほとんどは社会人なので、学生の私が100%内容を理解することは出来ませんでしたが、色々な発表を聞くことはとても勉強になりました。また、プログラミングをやっている人達と話をできる機会は、とても新鮮でしたね。

大学の勉強そっちのけで、アフィリエイトやPythonのブログ、ニコニコ動画のデータを使ったサービス、ツイートから地震を通知するサービスの開発を行いながら過ごしていた大学2年生のある時、突然、弊社の浜野(みんなのマーケット 代表取締役社長)から、SNSでメッセージが届きました。そこには、「開発を担当していたエンジニアが離脱してしまい開発が止まっているため、Pythonを書けるエンジニアを探している」という趣旨の内容が書かれていました。

通常、SNSから突然きた連絡に反応する人は少ないように思いますが、当時の私は警戒心より興味が勝っていました。何故ならそこに”Python”という文字が書かれていたからです。Pythonは、今ではよく使われるような言語になりましたが、当時は、今ほど知名度がありませんでした。丁度、Pythonにハマっていた時期だったので、すごく惹かれましたね。

それから、渋谷のシェアオフィスへ行き、浜野から事業の説明を受けました。当時の私は、「家事代行」や「ハウスクリーニング」という言葉を知らなかったので、当然、その市場がどれくらい大きいのか、競合がいるのかなど分かりませんでした。しかし、直観的にこれは伸びるなと思い、話を聞いてすぐ、私は渋谷の家電量販店に駆け込み、Macbookairを購入し、プログラミングを始めました。

浜野から見た私の第一印象は「ひきこもりがちであまり言葉を発さないオタクな大学生」とだったそうです。正直、会った時は、任せて大丈夫かという不安があったそうですが、すぐにパソコンを買いに行き、プログラムに取り掛かる姿をみて、全てを託そうと決心してくれたみたいです。

戸澤さん自身、参加の決め手はなんだったのでしょうか?

浜野の言うように、コミュニケーション能力が高い大学生ではなかったので、普通に、就職活動をして一般企業へ就職するのは厳しいだろうなと思っていました。

一方で、私は、コードをずっと書いていられる性分だったので、漠然とエンジニア職が向いているんだろうな、と思っていました。

入社の決め手は、これまでの人生で、自分自身が何かを開発してお金を稼ぐという経験はなかったので、実際通用するのか、試してみたかったという気持ちが大きかったように思います。

みんなのマーケットへジョイン~サービスが軌道に乗るまで

サービスリリース前のメンバー構成や役割を教えて下さい。

当時は、僕ともう1名と営業のインターンの3名体制でした。

リリースに必要なコードは1割程度しか出来ていなかったので、残りの部分を完成させることが最初の仕事でした。とはいえ、要件も不明確な部分が多く、外注のデザイナーの方と話をしながら、進めていく必要がありました。複数名で開発するのは、初めて経験だったので、どう伝えたら良いかのかというコミュニケーションのところが一番苦労しましたね。

リリース後は、いかがでしたでしょうか?

リリースしてから最初の数年は、単にwebにサービスがあるだけでお店の掲載はほとんどない状態でした。当然、利用者からの認知や信頼度もなく、予約が入らないという状態が続いていました。

そのため、営業はお店を集めることに注力し、私たちエンジニアは、お店のページをもっとよくする為の開発に注力しました。その中で、私たちは、利用者の信頼を勝ち得るために口コミ機能を増やしたり、SEOで流入を増やすための施策やコンテンツを改善を企画するなど試行錯誤しながらアクセス数を増やしていきました。

結果、サイトの認知や信頼度が徐々に増し、予約の件数も1週間に1件来るか来ないかという状態が、毎日1件になり、毎日数件になりと、徐々に増加していきました。

その後、サービスが成長していく中で、エンジニア体制はどう変わりましたか?

最初のエンジニア組織は、私とインターンの2名体制だったのですが、2015年夏、会社の成長に追い付くためにエンジニアを増やし、大規模なリプレイスを行いました。

コードの乱雑さもそうですし、リリースしてから要件も大きく変わってきたので、その見直しもする必要がありました。様々なところでバグが起こり、進みたいのに進めないという状態が続いていたため、一度整理をしないと今後発展するのが難しいと判断したためです。

自社エンジニアに加えて、ベトナムのオフショアを利用し、両チームを見ながら開発を進めました。

組織拡大に伴い、マネジメントする立場に

マネジメントする側になった時の心境を教えて下さい。

入社当初は、まさか私がマネジメントするとは思いもしませんでしたが、人数が増えてくるに従って、やらなければいけないという使命感は芽生えてきました。

実際、マネジメントは、今でも難しいと思っていますが、なんとかして乗り越えていかないといけないと思いながら日々取り組んでいます。

技術を追求する1技術者として会社に貢献するという方法もあったと思いますが、何故マネジメントの道に進んだのでしょうか?

おっしゃる通り入社した頃は、プログラミングを書くことが好きだったんです。けれども、その理由を辿っていくと、もともと面倒くさがりな性格で、「プログラミングを書くことで便利になる、楽ができる」ということが好きだったんだと思います。よくよく考えてみるとその考えの延長線上にあったのは、技術だけを追求することではなく、「技術を使って、どう世の中の問題を解決するか」ということだったんです。あくまで、プログラミングは一つの手段で、例えばコードを書かなくて解決できるのであれば、それで良いと思っています。

プロダクトマネジメントはどのように学びましたか?

体系的に学んだということはあまりないです。浜野が、もともとプロダクト志向なので浜野から学んだというのが多かったように思います。

最後に、戸澤さんが成し遂げたいことを教えて下さい。

我々の運営している「くらしのマーケット」は、出張サービスを扱っています。もともと出張サービスは電話予約しかなかった業界でしたが、我々のサービスを使うことで、ユーザーはネットで比較できるようになりました。

今後はさらなる出張サービスの向上に向けて、上手くITを取り入れていきたいと思っています。例えば、出張サービスをもっと楽に頼めたり、頼んでよかったと思えるように工夫するなどやるべきこと山積みです。

CTOはそれらを考えるポジションにありますので、今一度、UXを再定義していきたいです。


現在、みんなのマーケットでは、積極的に採用活動を行っています。イベントも定期的に開催しているので、ご興味ある方は、以下採用ページをご覧下さい!

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