「Kivaを日本一のコングロマリットカンパニーに」日本初※の組み込み型保証サービスproteger CTOに迫る

株式会社Kiva 代表取締役CTO 磯崎 裕太

学生時代はサッカーに専念し、2018年大学を卒業。チームラボエンジニアリングにサーバーエンジニアとして入社。2020年、Staywayに転職し、フルスタックエンジニアとして活躍する傍ら、PMも担う。2020年12月に、現CEOの野尻 航太氏と株式会社Kivaを共同創業。

Kivaについて

 

 

 

 

御社の事業内容について教えて下さい。

Kivaでは「proteger」という、ECサイトに最短即日で延長保証を提供するサービスを運営しております。組み込み型保証を提供している企業としては弊社が日本初*となります。

protegerの平均保証加入率は32%と、約3人に1人が加入していることになります。延長保証導入後の対象商品におけるCVR(Conversion Rate=顧客転換率)は1.4倍向上しており、延長保証が新規購入の障壁を下げると考えられます。

また、当社で回収した破損商品は廃棄せず修理やリユースを行います。より良いものを長く使う、サステナブルな延長保証を提供しており、提供保証数は7万点、修理パートナーは国内400拠点にまで拡大しました。

2022年5月には、損害保険ジャパン株式会社との提携で信用力、財務基盤のあるパートナーとタッグを組むことによりEC事業者さま、商品を購入するエンドユーザーの両者に安心・安全の延長保証を提供できるようになりました。今後は、EC市場だけでなく、旅行、不動産、自動車、住宅、Webサービス、通信などに組み込み型保証・組み込み型保険を提供していきます。

*自社調べ

ガラケーからスマートフォンへの転換期。スマホアプリに魅了された学生時代。起業を最終目標にエンジニアの道へ

最初に磯崎さんがインターネットやパソコンに興味を持ったきっかけを教えてください

子供の頃からパソコンや携帯電話が身近に存在していましたが、最初に興味を抱いたのは高校生の時かと思います。
当時、ガラケーからスマートフォンに変わる転換期であり、スマホアプリが急速に普及し始めていました。友人たちの間ではゲームアプリの『モンスターストライク』が大流行していました。
私はガラケーユーザーでしたので、友人たちがモンストをプレイしているのを羨ましく感じながら、これまで身近に存在しなかったアプリというものに漠然と惹かれていました。

その後、エンジニアになるまで、学生時代をどのように過ごされましたか?

高校時代、私は県内で強いサッカー部に所属しており、周囲のクラブチーム出身の仲間たちに追いつくため、人一倍練習した自負があります。
結果は出ませんでしたが、サッカーに没頭することで「生きている」という実感を得ていました。
しかし、高校卒業後は大学の法学部に進学し、競技としてのサッカーを辞めました。ハードな練習からは解放されましたが、新たに没頭する対象が見つからず、将来の進路に悩む大学生らしい生活を送っていました。

そんな中、エンジニアの道に進んだのはなぜですか?

起業するためです。
祖父、父と共に開業医で、ゼロから事業を生んでいることに幼少期から憧れがありました。その影響で、大学時代から将来的に自分も起業したいと考えるようになりました。
「自分が起業して実現したいことが何か」を書き出し整理した結果、何かしらのアプリケーションを生み出すというアイデアが当時の自分にはしっくりきました。
高校時代から身近に存在したスマホアプリの影響が大きかったのだと思います。

まずは自分が開発できなければ始まらないということで、エンジニアの道に進むことに決めました。起業することが最終目標でしたので、「手始めに営業の代理店でも始めようか」とも考えた時期もありましたが、私の性格上「何事もどうせやるなら大きく成功したい」と思う人間なので、スタートから多くの人から求められるサービスを生み出すことを目標に進み始めました。

クリエイティブな環境で確実な技術を身につけ、経営部に近い立場での開発を経験したエンジニア時代

なぜチームラボに入社されたのですか?

当時インスタグラムで映える写真の投稿が勃興しており、特にチームラボのデジタルアートが注目を集めていました。インスタを開けば誰かがチームラボの写真を投稿しており、その話題性とクリエイティブな印象に惹かれました。また、モダンな環境で最新の技術を身につけることができるため、技術習得に貪欲な自分にはぴったりだと感じました。その後、面接でエンジニアの方と話す機会があり、仕事の範囲が広く、自由度が高い社風にも魅力を感じ、入社を決定しました。

入社後はどのように働きましたか?

入社後はバックエンドエンジニアとして、とにかく泥臭く働いていましたね。
私はやるべきことを終えたらすぐに帰宅するタイプなのですが、当時は自分自身の技術力が未熟であることに焦燥感を感じていたため、使える時間は全て開発に費やしました。
目の前のことに愚直に向き合った結果、最先端の現場で活きる技術力が身に付きましたし、先輩からも信頼され新たな仕事を任せてもらうなど、総じて結果を出す力が備わりました。

その後、なぜStaywayに転職されたのですか?

チームラボでエンジニアとしての基礎能力をつけた後、起業への次なるステップとして、経営部に近いポジションでの経験を積みたいと考えるようになりました。「小規模・社長との距離が近い・ベンチャー企業」の3つの条件で求人を探したところ、WantedlyでStaywayの求人を見つけました。直接お話を伺ってみたところ、その当時のStaywayは社長以外に正社員がおらず、1人目のエンジニア採用だったんです。CTOのような立場で開発できる環境が魅力に感じ、転職を決めました。

社長と磯崎さん2名体制の現場のお仕事はいかがでしたか?

Staywayでは、社長からの要望に基づき、開発とリリースを積み重ねました。社長の指示は「iOSとAndroidでこんな感じのアプリを作ってほしい」と漠然としており、未経験の技術が必要な場面もありましたが、社長に求められれば応えることが社員の仕事だと思っていますので、試行錯誤を重ね手探りで開発に挑みました。
実行者は私だけでしたので、仕様書や設計書は作らずにスピード優先で進めていました。
激動の日々ではありましたが、経営部に近いポジションでの開発を通じて実践的な経験を積むことができ、これらの経験は後にKivaを起業する上で不可欠なものでした。

創業前からCEO野尻と複数のプロトタイプを開発。良きビジネスパートナーとなり起業を決意

現CEO野尻さんとの出会いについて教えてください

野尻とは私がチームラボに在籍していた時に出会っています。きっかけは私が執筆していたテックブログです。
野尻が私の投稿内容に興味をもってくれて、X(旧Twittter)を通じて連絡をとり、カフェで一緒に勉強するようになりました。その後、野尻からプログラミングを学びたいと言われ、私が教えることになりましたが、彼は絶望的にプログラミングのセンスがなく、序盤から『やめた方がいい』と伝えていました(笑)

野尻さんと出会ってから起業に至るまでどのように過ごしていましたか?

プログラミング指導をきっかけに、二人でプロトタイプを作るようになり、マッチングアプリや飲食店の空席状況照会アプリなど、いくつかtoC向けアプリを開発していました。
当時は主に野尻が営業を担当し、私が開発を担当、プロダクトについては基本的に私自身が実際に使いたいサービスを開発していました。当初共に起業する予定はなかったのですが、プロトタイプの開発を繰り返すうちに、野尻から『どうせ次作るなら起業し、本腰をいれて進めていくのはどうか。』と提案されました。
私も起業したい気持ちはありましたし、お互いに自分に足りない能力を補い合えると認識していたので、共同創業でやっていける自信があり起業を決意しました。

誰も損しない三方よしの延長保証。サービスモデルに賭け、共同創業。不安を感じる暇もなく、がむしゃらに未知の領域に挑む日々

事業選定はどのように行いましたか?

プロトタイプではtoCサービスを中心に開発してきましたが、創業後、野尻がtoBでの展開を強く希望しました。toBでは売上が早く立つだけでなく、将来的に様々な事業を展開したいという我々の考えにも合致しており、多くの企業とお付き合いができる可能性を感じました。事業内容についても野尻の提案をきっかけに延長保証サービスに決定しました。初めてその提案を聞いた時、既に多種多様なサービスが市場に存在するなかで、このビジネスモデルは珍しいと感じました。
protegerは誰も損しない、誰も支払者がいないサービスだと私は思っています。

創業初期、2名体制でどのような活動をされていましたか?

2020年12月に会社を設立し、2021年5月にprotegerをローンチしました。
2021年4月頃までは野尻と私の2名体制でしたので、作業の割り振りとしては、野尻が資金調達、Biz採用、PRなどを担当し、私は開発、エンジニア採用、保険会社との交渉、営業など、幅広く関与していました。

シリーズAにて4.5億円の資金調達。採用、開発に力を注いだ2023年

2022年12月、シリーズAにて4.5億円の資金調達を実施されていますね

最初の事業計画では、受託開発で資金を貯めながら、自社プロダクトの開発を進める予定でしたが、想定よりも早い段階で、独立系VC様、事業会社様、海外のフィンテックVC様、個人投資家様から投資していただいたので、proteger一本で進める方針へ舵を切りました。
資金調達は専門的な手続きが多く、とにかくわからないことだらけでしたが、創業以降、「分からない」「やったことない」という状況が当たり前の日々でした。
自ら調べ、試行錯誤し、解決できない場合は司法書士や弁護士、既存株主、先輩経営者からアドバイスを頂きました。

創業期は2人体制でしたが、事業の成長に合わせて磯崎さんの業務範囲は変化していきましたか?

対応する業務は日々変動し続けていますが、ここ数カ月は開発業務が3割、営業業務が2割、その他事業経営に関連する業務が5割程度です。創業期はより多くの領域に携わっていましたが、少しづつ組織らしくなり、優秀な社員に任せられることが多くなってきました。
ですがCTOとしては常に事業や会社について、現状、現場を把握しておく必要があります。組織が拡大していく今後も、会社の多くに携わるスタンスは変えずに、同時に権限の委譲を進め、より多様性に富んだ組織にしていきたいです。

資金調達により、2023年はどのような変化がありましたか?

この2023年はエンジニア人材と営業人材の採用に力を注いできました。
エンジニアの採用目標は達成し、現在は6名在籍しています。
バックエンドで幅広く対応可能な優秀なメンバーが揃っています。

これまでの採用では、技術スキルは全員が一流であることを徹底してきました。今回の採用では、スキルはもちろん、能力に邁進せず泥臭く働ける方、目的と手段の価値観が共有できる方を採用しました。
開発は手段であり、本質的な目的は売上を生み出すことなんです。売上を意識し会社に貢献する考え方を共有できる人材を採用することにこだわりました。
その結果、開発スピードが目に見えて向上し、開発組織の文化や特色が明確になってきたと感じています。

一方で、営業人材が未だ不足しているため、引き続き積極的に採用を進めています。

その他、採用で意識していることはございますか?

 採用面接では必ず『これまで業務の中で一番大きな決定をしたのはどのようなことでしたか?』と質問します。
Kivaは各々の裁量が大きく、日常的に大きな意思決定を皆が行うため、候補者が過去にどのような決定を行ってきたかが重要な指標となります。
またこの質問だけで、候補者がどのようなポジションにいたのか、組織からどれだけ信頼されていたのか、要するに能力値が明確になります。

昨年リリースされたmi protegerとはどのようなサービスなのですか?

採用面接では必ず『これまで業務の中で一番大きな決定をしたのはどのようなことでしたか?』と質問します。
Kivaは各々の裁量が大きく、日常的に大きな意思決定を皆が行うため、候補者が過去にどのような決定を行ってきたかが重要な指標となります。
またこの質問だけで、候補者がどのようなポジションにいたのか、組織からどれだけ信頼されていたのか、要するに能力値が明確になります。

protegerをKivaの代表的なプロダクトとして上場させ、誰もが知るコングロマリットカンパニーに

磯崎さんが今後Kivaで成し遂げたいことを教えてください。

この先Kivaという会社を物理的に大きくし、弊社のサービスを通して多くの人にプラスの影響を与えていきたいと考えています。
そのための手段として、ワンプロダクトではなく複数のサービスを展開し、世間において「この会社よく聞くけど何しているの?」と言われるような、コングロマリットカンパニーに成長させたいです。
具体的な時期として、2026年頃には複数の事業を展開し、2027年12月にはprotegerを上場させることを目指しています。
夢は、売上高30兆円の会社になり、日本で一番大きい企業になることです。

 

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