
中学生時代から独学でプログラミングを学び、卒業後はエンジニア、フリーランス、起業など多彩なキャリアを経験。2018年、代表の久保氏らとともに株式会社クラスを共同創業し、CTOに就任。家具・家電の循環型サブスクリプションサービス「CLAS」において、Web/アプリ開発から倉庫・物流システム(WMS)の構築まで幅広くエンジニアリングを統括している。
クラスについて

私たちは「“暮らす”を自由に、軽やかに」をビジョンに掲げ、家具・家電のサブスクリプション型レンタルサービス「CLAS(クラス)」「CLAS Biz(クラスビズ)」を展開しています。個人・法人問わず、月額制で必要な家具や家電を利用していただけるサービスです。
CLASの大きな特徴は、単なるECや「モノを貸し出して終わり」のレンタルではなく、返却された商品を自社でクリーニングや修繕(リペア)し、次のユーザーへお届けする「循環型(サーキュラーエコノミー)」の仕組みを構築している点です。
家具や家電は、ライフステージの変化やオフィスの移転・拡大に伴って買い替えや処分のコストが大きくかかる領域です。CLASを利用していただくことで、初期費用や処分の手間をなくし、必要な時に必要なモノを柔軟に借りたり交換したりできるようになります。
私たちはテクノロジーと物流オペレーションの力を掛け合わせることで、持続可能な「捨てない社会」を実現しながら、人々がもっと自由で豊かな暮らしを選択できるインフラを目指しています。
独学から始まったプログラミングと、リファラルで広がったエンジニアキャリア

プログラミングを始めたのは中学生の頃です。
自宅にパソコンを購入してもらったのがきっかけです。元々、ワープロや電子辞書などの機械を触ること自体が非常に楽しかったんです。当時はインターネットも満足になく情報も少なかったため、本屋に行ってはプログラミングの本を立ち読みし、コードの書き方を必死に頭に叩き込んで家に持ち帰り、実践するという作業を繰り返していました。
叔父がシステムエンジニアをしており、プログラミング用のソフトを譲ってもらえたことも大きな経験となりました。
最初はVisual Basic(VB)を使ってゲームや便利なツールを作ることからスタートしました。
学生の頃からフリーソフトを作ったり、プログラマーのアルバイトなどをやっていました。大学卒業後は多人数での開発を経験したいと流通小売業向けのSIer、次はスタートアップを経験したいと上京し、大手ECプラットフォーム事業のWebベンチャー企業で働き、後に自身で起業もしました。結果として、色々な事業や立場でエンジニアとしての経験を積みました。
2012年頃からはフリーランスとしても活動し、スタートアップを中心に複数社のサービス立ち上げや技術支援に携わっていたのですが、いずれも友人や知人からのリファラル(紹介)によるものでした。
一度一緒にお仕事をした方から「また手伝ってほしい」とお声がけいただき、それが次のご縁に繋がっていくという形でキャリアを重ねてきました。
2014年には、立ち上げから関わっていたアパレル業界向けの業務システムを開発している企業に最高技術責任者(CTO)として参画することになります。
創業メンバーとしての参画――「家具のサブスク」という新たな挑戦

もともとは、久保が新規事業として家具のサブスクリプション事業を検討していた際、共通の知人である投資家を通じて第三者視点でのアドバイスを求められたのが始まりでした。
海外事例や国内市場を調査した結果、「ビジネスモデルとして非常に有望である」と感じ、興味が湧いたので、そこから直接議論を重ねるようになりました。
「どうすればこの事業を成功させられるか」を共に突き詰めていく中で確かな手応えを得られたので、創業するに至りました。
倉庫や現場に密着するからこそ生み出せる、本質的なシステム価値
やはり「商品が戻ってくること」と「家具という巨大で特殊なものを扱うこと」ですね。
普通のECは売って配送すれば終わりですが、CLASは戻ってきたものをクリーニング・リペアして再出荷します。自社の資産としてずっと管理し続けなければなりません。
さらに面白いのが、倉庫内のリアルな運用です。
サイズが大きい家具だと、倉庫内で組み立てた状態で置いておけないんですよ。だから「天板はあっち」「脚はこっち」という風に、部品ごとにバラバラに保管されているんです。
そうなんです。しかも、天板は同じでも「鉄の脚」を「木の脚」に付け替えて出荷することもあります。システム上で「パーツごとの在庫」と「完成品としての組み合わせ」を矛盾なく表現できないと、大きな機会損失になってしまいます。
画面上はシンプルなECに見えますが、裏側の在庫・資産管理ロジックは正直かなり複雑です。
ものの数分で終わりそうなピッキングしてトラックに積むだけ、みたいな単純な作業も、実際に自社倉庫に行くと、高所のラックからフォークリフトで降ろす工程があるなど、全然、数分では終わらない作業だったり。ただデータだけを見ているだけでは想定していない運用が現場にはあり、実際にオペレーションを見ないと本当に使えないシステムになってしまう。だからクラスのエンジニアは全員現場に行きますし、棚卸し作業も一緒に行うんですよ。
CTOとしての歩みとあるべき姿、組織マネジメントについて
創業初期は採用から実務開発まであらゆる業務を担当していました。大きな転機となったのは、現VPoEの鈴木が参画してくれたことです。
組織設計やピープルマネジメントにおいて非常に高い専門性を持つ鈴木にエンジニア組織のマネジメント全般を委譲したことで、私はインフラ構築や全体アーキテクチャの設計や、新規事業に向けたPoC、取締役としての経営的な意思決定に集中できています。
自分一人で全てを抱え込むのではなく、各領域において自分以上に適任となる優秀な人材を見極め、権限を適切に委譲していくことがCTOの重要な役割だと考えています。
また、CTOは単に技術を見るだけでなく、経営陣の一員として会社全体の最適化に貢献する「経営のパートナー(ナンバー2的視点)」としての役割を果たすべきだと考えています。
各役員が自身の専門領域に固執せず、全体俯瞰の視点を持って自由にパフォーマンスを発揮できる環境を作ることが、組織全体の強みに繋がると思っています。
クラスには一般的なシステム開発やスタートアップのメンバーだけでなく倉庫現場のスタッフなど、一般的にITリテラシーの低い業界のメンバー多く在籍しているため、情報がクローズドになるのを防ぎ、風通しの良い環境を作ることを重視しています。
具体的には、パブリックなチャンネル構成を工夫したり、各自が心理的ハードルなく発言できる「独り言チャンネル」などを設置しています。
「返信しなければいけない」という圧迫感を与えずに緩やかにつながる距離感を保つことで、組織内の自発的なアウトプットを促しています。
また、日常の感謝を気軽に伝え合うスタンプ文化など、お互いをリスペクトし合える雰囲気を大切にしています。
私がマネジメントにおいて最も重視しているのは、「指示通りにコードを書く集団にしないこと」です。エンジニアが単なる「実装担当者」になってしまうと、プロダクトの本質的な価値創造につながりにくくなります。
そのためクラスの開発組織では、ビジネス側の要求や仕様書をそのまま受け取って作るのではなく、「そもそもなぜこの機能が必要なのか」「現場の作業者は本当にこれで助かるのか」という課題の根幹からエンジニア自身がコミットする文化を定着させています。
現場(倉庫やCSなど)との距離を極限まで縮めることですね。エンジニアが現場のスタッフと直接対話し、時には現場作業を一緒に行うことで「言葉にならない課題や不便さ」を肌で感じ取ってもらいます。
また、失敗を恐れずに挑戦できる環境づくりや、一人ひとりが自律的に思考して自走できる目標設計(OKRを元に自社で改良したもの)の運用にも注力しています。CTOとしての私の役割は、細かく指示を出すことではなく、チームが自走するためのボトルネックを取り除き、挑戦と成長を後押しする土台を整えることだと考えています。
クラスが推進するAI活用の最前線

開発現場においてはCursorをはじめとする最新のAIツールを積極的に導入・推奨しており、生産性は格段に向上しています。
ただし、AIが生成したコードをそのまま鵜呑みにすると技術負債の原因になりかねないため、最終的なコードレビューは人間が責任を持って全件チェックする体制を整えています。
全社的なAI活用ルールとしては、基本ツール(Google Gemini等)は全社員へ解放しつつ、個別の専門ツール導入に関しては「業務上の必要性と利用目的」を明確にした上で、管理部・法務・CTOのラインで厳正に審査を行っています。安全性を担保しながら、生産性を最大化させる運用を徹底しています。
AIがコードを自動生成できるようになった現在、指示された通りにコードを書くだけのオペレーション作業の価値は相対的に低下しています。これからエンジニアを目指す方にとっては、より本質的なスキルが問われる時代に入ったと感じています。
最終的な意思決定と責任を取れるスペシャリストや、「AIに何をやってほしいか」を言葉で定義できる上流の思考力、具体的には、AIに対して「何をやってもらいたいか」を的確に言語化・定義できるような方が活躍できると考えています。
当社においては、実空間の課題(倉庫や現場オペレーション)に直接向き合い、人とコミュニケーションを取りながら課題を解決することに面白みを感じて頂けるような、ホスピタリティのあるかたと一緒に働きたいと思っています。
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