テックカンパニーに生まれ変わった企業が目指すフラットな組織とは?

本日は、SaaS型SCMクラウドサービス『Monopos』でオムニチャネル支援事業を展開している株式会社MonoposのVPoE兼CHRO飯田氏に話を伺いました!

株式会社 Monopos VPoE兼CHRO飯田氏プロフィール


飯田 康介(いいだ・こうすけ)|株式会社Monopos
メーカー系SIerを経て、BtoCサービスに転職。その後、独立を試みるが開始直前で頓挫。All About、セプテーニ・ベンチャーズ、クラウドワークス、SmartHR、価格調査会社でのCTOを経て、2018年1月に前身である株式会社IROYA(2018年8月~事業分割により株式会社Monoposが誕生)へ入社。現在は、株式会社Monopos のVPoE(技術部門のマネジメント責任者)兼CHRO(最高人事責任者)として人事制度の設計・構築・運用、採用やチームビルディング、自社サービスの開発・運用に取り組んでいる。

Monoposについて


Q.最初に、株式会社Monoposについて教えて下さい。

株式会社Monoposは、リテールテックスタートアップの株式会社IROYAの持つリアル店舗とオンラインサイトを統合するオムニチャネルの導入支援サービス「Monopos」事業が分割され、2018年8月1日に設立された企業です。現在、凸版印刷株式会社がMonopos社の全株式を取得したことを受けて、凸版印刷の子会社になりました。

「Monopos」事業は、自社でオムニチャネル事業を行ってきた経験・ノウハウを土台に、店舗とECサイトの在庫管理から販売管理までを網羅する小売業界向けのクラウド型SCMプラットフォーム『Monopos(モノポス)』を提供しています。ECサイトと実店舗の総在庫、総売上のリアルタイム把握により販売機会を最大化したり、EC在庫とPOS端末の連携によりECと実店舗の同時販売を実現できるようになります。

複数の会社の経験し、キャリアを構築


Q. 飯田さんのMonoposに入るまでのキャリアを教えて下さい。

メーカー系SIer、CarviewやAll Aboutで、エンジニアとしてのキャリアを積んだ後、立ち上げのフェーズを経験したいと思いから、セプテーニ・ベンチャーズへ飛び込みました。セプテーニ・ベンチャーズでは、新規事業MANTの立ち上げメンバーとして、システム全般を担当しました。しかし、事業が軌道に乗らず、また社内システムの部署に異動となってしまったため、toCサービスを提供しているクラウドワークスへ転職しました。そんな時、EdTechのシードアクセラレーターで知り合った方から「資金調達が決まったので、是非CTOとして参画ほしい!」とお誘いをいただき、もともと立ち上げのフェーズに興味があったので、そこへ参画しようと思い、クラウドワークスへ退職する旨を伝えました。しかし、伝えたは良いものの、実際はVCからの出資が決まっておらず、資金が底を尽いてしまい、会社自体がなくなってしまうという状況になりました。

今後、どうしようかと路頭に迷っていた時に、価格調査会社のバリュースからお話をいただいたので、2年弱、旧システムの入れ替えやエンジニア組織構築などに携わりました。

また、それらの業務に携わる中で将来のキャリアについて真剣に考えるようになりました。私自身、技術を追求していくというより、過去の経験をみてもリーダーをやることが多かったので、組織作りやピープルマネジメントに向いていると感じました。また、VPoEというマネジメントのポジションは、今度間違いなくニーズがでてくると思っていたので、挑戦していくことは今後のキャリアにおいてもプラスになると思いました。

そしてキャリアップを図り、SmartHRにとして入社しました。けれど、会社側としっかり話しができておらず、自身のキャリアと会社の望むことにミスマッチが起きているということに入社後に気づき、2ヶ月で辞めることになりました。そして当時、平行で声をかけていただいていた株式会社IROYA(現Monopos)へ入社することに決め、現在に至っています。

――複数の会社を経験して、キャリアを築いていったのですね!

最初の頃は、転職回数が多いのは不利という印象だったのですが、様々な会社を幾つも経験し実体験を元に色々な話ができるので、今は強みだと感じていますね。

Monoposへ入社。課題は組織再構築


Q.MonoposではどのようにしてVPoEになりましたか。

今の会社からエンジニア組織を再構築するという趣旨でスカウトを受け、VPoEとして参画することになりました。

Q.当時のエンジニア組織はどのような課題がありましたか?

エンジニアの離職率の高さが大きな課題でした。どんどんエンジニアが辞めていってしまう中、やらなければいけない事も多くなっていき社内の雰囲気もあまりよくありませんでした。

2018年には、会社自体もIROYAからMonoposへ変わり、テックカンパニーに生まれ変わったので、ゼロから再構築するようなタイミングだったように思います。また、テックカンパニーで採用を行うとなると、結局は人事の領域になってくるので、CHRO(最高人事責任者)も兼任することになりました。

Q.VPoE・CHROとしてどのような業務を行っていますか?

エンジニアの組織作りの他、全体の採用や給与制度・人事制度の見直しも行っています。最近は、コードを書くことは少なくなりましたが、軸は「エンジニア」というところはぶらさずに、色々なことにチャレンジしていきたいと思っています。

制度については、親会社の承認も必要になるため、業界や規模の違いからくるスピード感やエンジニアへの理解など、調整が大変なところもあります。けれども自身のエンジニアとして知識を生かして、理解を得られるように努力し、話し合いを重ねています。

働いて良かったと思える会社を目指し、採用方針、制度、環境を改善


Q.現在、飯田さんが注力していることは何ですか。

今は、エンジニアの採用に注力しており、年間2~3人くらいのペースで徐々に増やしていきたいと考えています。もちろん拡大していきたい気持ちはありますが、急激に増やすというよりは、「カルチャーフィット」を重要視しています。一気に人数を増やそうとすると、カルチャーフィットしない人も採ってしまう可能性も高くなるのでそれは避けたいですね。

また、1つの会社にずっと働くということにコミットメントできる人は少ないと思っています。その為、長期的に会社に関わってもらえるように信頼関係を構築し、ライフステージに応じて働き方が柔軟に選べるよう会社の制度も改善していくべきと思ってます。

Q.離職率を下げるためにどのようなことを心がけていますか。

私が入社した当時は、離職率が高かったので、その当時の状況から2つ学びを得ました。

1つ目は、採用面接で話す内容です。当時の面接は、かなり先の未来の話をしていましたが、現実はそこまでの状態に会社が至っていないので、入社後にギャップを感じてしまうということが起きていました。

2つ目は、開発の雰囲気が悪く、何かすると責められるような空気感が広がっており、メンバーの心理的安全性が担保されていない状態でした。心理的安全性が低いと、『発言がなくなる⇒言われたことをやるだけになる⇒結果、それがあまり楽しくなくて辞めてしまう。』という負のスパイラルに陥ってしまいます。

最近の伸びている会社は、心理的安全性がきちんと担保されている会社が多いように感じています。自由に発言できる環境が整っていると、議論が活性化し、会社も事業も伸びるのではないでしょうか。

Q.心理的安全性を担保するために、どのようなことをしましたか?

人は、成功からではなく失敗から学ぶことが多いと思っているので、失敗を許容する環境作りは重要だと思っています。

その1つとして、何かを実施した後は、必ず振り返りや失敗したことを共有する場を設けています。また、普段から楽しくやりましょうというのは意識してますね。そのような雰囲気の組織であれば、言いにくいことも言いやすくなると思うので、何か失敗したとしても隠すというようなことはなくなると思います。

その他、小さな困り事も気軽に共有できるように、Slackに「パニックチャネル」というチャンネルを作ったりしています。この仕組みは、私でなくメンバーが自発的にやってくれましたね。

全社的な取り組みとして我々は、ティール組織※を参考に組織作りをしていますが、ティール組織のようなフラットな組織を実現するために、情報を積極的にオープンにすること実施してます。例えば、弊社の財務状況ですが、全社員にオープンにしているので、全社員平等に情報を得ています。

※ティール組織……フレデリック・ラルーの「ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」で紹介された組織の上下関係も、売上目標も、予算もない新しいマネジメント手法を採用する組織を指す。

Q.エンジニア組織はどうですか?

私の他にもう1人マネージャーという立場の人間はいますが、フラットな組織なので上からトップダウンで決めるということはなく、皆の意見を反映しながら日々仕事に取り組んでいます。Slackなどのオープンな場でやり取りをし、それぞれの役割を認識しまっとうしながら進めています。もちろん、意見を言い合うことでぶつかることはあるのですが、お互い信頼し合っているうえでの話なので、悪い雰囲気になることもなく健全な議論ができていると思います。

今のメンバーで約2年やってきているので現状は上手くいっていますが、今後、メンバーが増えてくると、なんとなくでは上手くいかないのできちんと明文化していかなければいけないと考えています。

リモートワーク導入。メリットや課題は?


Q.エンジニアの働き方ですが、より良くするために取り入れている制度はありますか?

リモートワークは、積極的に取り入れています。弊社業務委託の方は、地方に住んでいる方も多いので、基本フルリモートで働いています。

Q.リモートワークは、上手くいっていますか。

リモートワークをしている方は、分からない点はきちんと聞いてくれたり、現在、作業状況(席を外している/業務対応可能など)を報告してくれるので安心して任せられています。自分自身も週2回リモートワークを実施していますが、違和感なくできています。

またフルリモートやリモートの方が増えると、ドキュメントが整理させていくというのはメリットがありますね。きちんとしたやり取りができていないと、後から見た人が会話に入れなかったりするので、自然と整理されたやり取りがSlack上では行われています。

ただ、リモートワークで一番難しいのは、温度感の共有ではないでしょうか。オフィスで集まって話をしている人達の盛り上がりが、リモートに伝わりずらいということは起こってしまいます。

温度差解消の1つ取り組みとして先日、リモート飲み会をやりました。これは、業務委託の方が計画して開催してくれました。リモートワークの方とは普段雑談はできないので、そのような場を設けることで、結構距離感が縮まったので、良かったと思います。今後も引き続きやっていきたいですね。

従業員の選択肢を増やしたい


Q.最後に、飯田さんの今後の夢を教えて下さい。

少し前までは、エンジニアが働きやすいような会社にしたいと思っていたのですが、最近は、エンジニアの枠を外して「この会社って良い会社だよね。」と言われるようになるのが目標です。

制度については、従業員にちゃんと選択肢があるよう整備していきたいです。リモートワークもそうですが、使う使わないは本人がライフスタイルに合わせて自由に選んでいただければよいと思いますが、制度が整っていないことで、選択できないという事態をなるべくなくしていきたいです。